2021 Fiscal Year Research-status Report
心不全に伴う不眠症への段階的ケアシステム構築を目指した非薬物療法の開発と効果検証
Project/Area Number |
18K03150
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
小林 清香 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (40439807)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心不全 / 不眠 / 非薬物療法 / 睡眠衛生 / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全に伴う不眠そのものに焦点をあてられることは多くないが、心不全患者の約半数に睡眠の問題があり、心不全の悪化や死亡と関連することが指摘されてきた(Kanno,2016)。しかし、心不全患者における不眠に対する介入効果の報告は限られており、不眠へのケアについて患者がどのようなニーズを持っているかも十分に知られていない。 本研究では、心不全患者における睡眠の問題を明らかにし、心不全患者の睡眠に対する懸念と支援ニーズを整理することを目的としている。 本年度は、2020年度に実施した、心不全で通院中の20歳以上の者を対象としたインターネット調査の解析を行った。調査は倫理委員会の承認を得ておこなった。 571名(男性359名、女性212名)のHF患者から回答を得、平均年齢は51.84±15.91歳(20-90歳)であった。アテネ不眠尺度によるカットオフを超える不眠症状は51.8%に認められ、そのうちの24.1%が何らかの睡眠薬を服用していた。心不全の自覚的重症度NYHA分類はⅠ:373人(65.3%)、Ⅱ:157人(27.5%)、Ⅲ:30人(5.3%)、Ⅳ:11人(1.9%)であった。NYHAⅠ、Ⅱ、ⅢおよびⅣの3群において、不眠症状を示した者はNYHAⅠ:157人(42.1%), Ⅱ:109人(69.4%), Ⅲ・Ⅳ:30人(73.2%)であった。また、K-6による抑うつ症状のカットオフを超えるものはⅠ:136人(36.5%)、Ⅱ:89人(56.7%)、Ⅲ・Ⅳ:35人(85.4%)であった。不眠症状、抑うつ症状ともにHFの自覚的重症度が上がるにつれて増加することが明らかになった
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍にあり、会議開催や研究の実施は通常に比して困難ではあるが、得られたデータの解析に取り組み、成果の発信に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
整理された知見を発信し、また、補足すべき情報の収集や専門家の意見の収集に努める。
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Causes of Carryover |
現在論文執筆中で、その英文校正費、投稿料などに使用する予定である。
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Research Products
(1 results)