2019 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症患者における図形対称性の選好と認知機能に関する研究
Project/Area Number |
18K03152
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岩滿 優美 北里大学, 医療系研究科, 教授 (00303769)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 統合失調症 / 描画 / 対称性選好 / 精神症状 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症患者と健常者を対象に、最もきれいな任意の場所に、7種類の刺激図形に対する分割線を描く課題を実施した研究について、2018年度に収集したデータを見直し、再分析を実施した。また、分担研究者と研究協力者とともにデータ分析結果や論文作成に向けて協議を重ね、論文作成を行ってきた。様々な検討を加えた結果、年齢をマッチングさせた統合失調患者と健常者の2群を比較し、統合失調症患者は健常者と比べて対称性を有意に選好するという結果について、論文作成を行ってきた。加えて、統合失調症患者の精神症状や認知機能と対称性選好との関係についても論文作成を行ってきた。 次に、統合失調症患者と健常者を対象に、上記の課題をコンピュータで実施し、課題中にアイカメラを用いて眼球運動を記録した研究についても、同様にデータを見直した。データの分析方法について共同研究者や研究協力者と協議を繰り返し、再分析を実施してきた。その結果、統合失調症患者は健常者と比較して、注視時間が有意に長く(p<.01)、注視回数が有意に多く(p<.05)、注視間の視線移動距離が有意に短い(p<.01)ことを確認した。今後、この結果について、論文作成を行っていく予定である。 3つめに、統合失調症患者のバウムテストの特徴について健常者と比較した結果、描画サイズの位置やサイズ、枝や幹の一本線の多さ、全体的なバランスの無さなどに違いが認められた。統合失調症患者における症状によるバウムテストの特徴についても分析を行った。 さらに、次の研究に向けて、研究倫理申請を行い、まずは健常者を対象にデータを収集していくところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文作成を行えていること、また新たに倫理申請を行えたことから、おおむね予定通りと思われる。 一方、論文投稿についてはやや遅れているため、速やかに行いたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでデータ分析した研究の論文投稿を積極的に行っていく。 また、新たにデータ収集を行っていく予定である。
|
Causes of Carryover |
次年度は論文投稿などを中心に使用する予定である。また、研究実施のために必要な物品を購入する予定である。
|