2020 Fiscal Year Research-status Report
青少年のSNS依存の心理的メカニズムの解明と心理社会的影響の検討
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18K03154
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
濱田 祥子 明治大学, 文学部, 専任准教授 (60615037)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ネット依存 / ソーシャルネットワーキングサービス / 青少年 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、青少年の(1)青少年のSNS依存の心理的メカニズムを、対人関係をめぐる不安に着目し、明らかにすること、さらに(2)SNS依存が青少年の心理社会的問題に与える影響を検討することである。 2020年度においては、大学生約450名を対象に実施した調査の解析を行った。具体的には、SNSの利用時間によって対象者を分類し、対人関係において感じる不安、抑うつの程度の差を検討した。大学生のSNSの利用実態としては、1日に5時間以上SNSを利用する者が約10%、3時間以上5時間未満利用する者が約20%、2時間以上3時間未満利用する者が約24%、1時間以上2時間未満利用する者が約28%、1時間未満利用する者が約16%であった。利用時間と心理的側面の関連については、1日のSNS利用時間が長い者ほど、他者からの否定的な評価を恐れ、対人交流不安を感じる傾向が強いことが明らかになった。抑うつの程度に関しては、利用時間の分類による、有意な差は見い出されなかった。これらの結果から、SNSを長時間利用することと心理的側面との関連が明らかになり、青少年のSNS依存のメカニズムを検討する上での重要な知見を得ることができた。さらに、国内外の文献の調査から、わが国及び他国の青少年のSNS利用の現状や、SNS依存に関する状況について理解を深め、今後の調査の準備を行った。 これまでの青少年を対象としたインターネット及びSNSの利用と心理的特性に関する調査結果をまとめ、雑誌において、発表した。 さらに、高校生の問題行動に関する学術論文をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度のCOVID-19の感染拡大により、大学等でオンライン授業が導入された。大学生を対象とした調査を実施する予定であったが、オンライン授業導入に伴い、予定していた方法での調査を実施することができなくなった。そのため、当初の計画より遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度においては、調査方法、調査対象者を検討し直し、新たに、SNS依存とメンタルヘルスに関しての調査を実施する予定である。また、これまで蓄積されたデータをまとめて、発表する予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大のため、大学等においてオンライン授業が実施された。 大学生を対象とした調査を予定していたが上記の理由により、予定していた調査が実施できなくなったため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(2 results)