2021 Fiscal Year Research-status Report
多文化・多言語環境で育つ子どもの発達障害の査定と支援
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18K03159
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
塘 利枝子 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (00300335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 智子 中央大学, 文学部, 教授 (20296792)
権藤 桂子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (90299967)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多文化 / 多言語 / 乳幼児 / 児童 / 発達 / 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者である塘は、東海地方や関西地方の就学前施設において、多文化・多言語環境で育つ子どものフィールドワークを行おうと計画をしていたが、新型コロナウイルスによって現地に伺うことができなかった。そこで、近隣の就学前施設でのフィールドワークや、リモート等による保育者への発達相談などを行いながら、保育者が捉えている日系ブラジル人の幼児や中国籍の幼児の発達の中での困りごとについてのデータを収集した。 その結果、前年度注目した言語発達だけではなく、運動発達や認知発達についても課題が上がってきた。コロナウイルスの関係で他児との関わりが制限されたことによる遅れなのか、就学前施設や家庭との間で言語が異なりいずれの言語においても年齢相当の水準に達していない影響により認知発達が遅れているのかについて、見極めの困難性があがってきた。 また日系ブラジル人に焦点を当てながら、幼児期と児童期の言語発達との関係、親の日本語使用と子どもの日本語使用困難度との関係などについてもグーグルアンケートによる調査を行い、親の日本語使用困難度と子どもの日本語使用困難度との間に有意な相関があることを見出した。 今後は新型コロナウイルス等による行動範囲の制限といった環境要因と、子どもの言語発達、そして運動・社会性・認知発達等の領域の発達との関係性について注目していきたい。新型コロナウイルスが収束し次第、東海地方の就学前施設においても調査や検査を再開する予定である。 研究分担者においては、権藤が2言語による語彙発達評価を行い、発達障害の重要な見極めとなる2言語の表出言語ついての調査を行った。しかし新型コロナウイルスの関係で東海地方や東京の就学前施設での調査・検査がほとんどできなかった。今後、新型コロナウイルスの収束状況を見ながら調査・検査を再開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響で保育現場や教育現場への他県を越えての調査ができず、また同じ地域内においても子どもへの直接接触が制限された。したがって実際のフィールド内で調査や検査ができなかったため、研究に遅れが生じている。しかしそれでも保育者から話を聞いたり、グーグルアンケートによる外国籍の保護者からのデータを収集できたことにより、子どもの発達を捉える環境要因について分析することで、研究の遅れを解消しようと努力している。
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Strategy for Future Research Activity |
多文化・多言語環境にいる子どもたちとその保護者に対するフィールドでの調査や検査が本研究の主となるため、今後の新型コロナウイルスの状況によっては研究の推進方法や時期を変更せざるをえないかもしれない。しかし新型コロナウイルスの収束状況を見ながら特に東海地方の就学前施設でのフィールドワークや検査を再開する予定である。 また保育者面談については徐々に近隣での調査が再開できる状況にあるため、新型コロナウイルスの状況を見ながら、オンラインのみではなく対面での実施も試みたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの関係で、東海地方の就学前施設での調査や検査ができなくなり、学会開催がすべてオンライン開催となったりしたため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(3 results)