2020 Fiscal Year Research-status Report
メンタライズ機能に注目したアレキシサイミアの臨床介入ツール開発
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18K03161
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
馬場 天信 追手門学院大学, 心理学部, 教授 (00388216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上地 雄一郎 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (80161214)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 感情 / メンタライゼーション / アレキシサイミア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度に関しては、Jurist(2018)の感情のメンタライズ尺度の日本版の信頼性と妥当性を確認した上で、親子どもの3者セットデータから、アレキシサイミア傾向と親子の感情のメンタライゼーションの特性がどの程度関連性があるのか、両親のいずれのメンタライズが子どものメンタライズにより影響するのかを検討する予定であった。また、それらの結果に基づき、小グループにメンタライゼーションに関する知識と技法を取り入れたワークやロールプレイを行い、その介入前後でのアレキシサイミア傾向の変化を検討する予定であった。 前者については、原著者であるJuristおよび邦訳版の窓口担当者と数回のやり取りを行い、分析を数回やりなおし、最終的に3因子の日本版感情メンタライズ尺度についてほぼ完成させ、その信頼性およびアレキシサイミアの尺度を含めての妥当性を共同研究者間で確認した。Juristの原版とは多少異なる因子構造となったが、妥当性を測定していた複数の尺度からはこの尺度が冠状のメンタライズを測定する尺度として妥当であることが明らかとなった。論文化を予定していたがコロナ禍の影響もあり本年度中の学会発表は断念したため2021年度の学会にて発表し、論文化する予定である。後者については、当初、大学内で参加者を募り、基礎的な介入効果を検討する予定であったが、コロナ禍の影響によりオンライン授業対応となったことから対面・複数回の実際のロールプレイが実施できなかったため、研究の延長申請を提出し、介入方法について少し変更と修正を行ったうえで2021年度中に実施を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍の影響により、Web調査のデータが歪みが発生する可能性を考慮し、3者セットデータの調査実施を延長せざるをえなかった。また、最終年度予定となっていた対面での介入効果の検討は、大学がオンライン対応となったことから実施不可能となったため延長せざるをえなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
Web調査については2021年8月頃までに実施完了予定である。また、当初はメンタライジングの知識や技法についての教育およびロールプレイに基づいてのアレキシサイミア傾向の変化を検討する予定であった内容については、コロナ禍によるオンライン実施が継続している現状を踏まえ、対面での実施を変更し、オンラインでの介入方法についても模索し、介入効果検討のデザインを修正することで対応する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、過度のストレス状況によって一般成人を対象にしたWeb調査データがゆがむ可能性を考慮し、Web調査の実施を見送ったこと、および、同じくコロナ禍により当初予定していた対面でのメンタライジングの教育介入によるアレキシサイミア傾向の変化についての実施を見送らざるを得なかったため、それらにかかる経費及び謝金の支払いがなかったため次年度使用が生じた。 次年度については、Web調査での3者セットデータおよび、基礎的介入効果研究の謝金として使用する予定である。
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