2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a clinical intervention tool for alexithymia focusing on the mentalizing function.
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18K03161
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
馬場 天信 追手門学院大学, 心理学部, 教授 (00388216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上地 雄一郎 岡山大学, 社会文化科学研究科, 特命教授 (80161214)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アレキシサイミア / メンタライゼーション / 感情 / 養育 / アタッチメント / 自伝的記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度にJurist(2018)のMentalized Affectivity Scaleの大規模調査を行い、探索的因子分析と確認的因子分析を用いて日本独自の5因子、Italia版の5因子、Juristの3因子について検討を行ってきた。最終的にJuristの3因子構造21項目版が最も適合度が高かった(CMIN=.0001, GFI=.881, AGFI=.843, RMSEA=.087)。しかし、他のモデルも適合度に大差はなかったため、比較検討の可能性を残したMAS44項目を使用し、アレキシサイミアへの臨床介入適用可能性を視野にいれた3つの調査を本年度実施した。 調査1と調査2では20~40代の一般成人約500名を対象に、TAS-20、MAS44項目版、援助要請、対人スキル、対象関係、依存性、対人ストレス、ストレス反応尺度等を加えて調査を行った。総じてアレキシサイミアに介入する際には、情緒的依存は低く援助要請が高くないものの対人ストレスとストレス反応は高く、対象関係や対人関係パターンを取り扱うことや、外面志向認知が高い場合には自伝的記憶へのメンタライズがかなり困難が予想されるため、感情同定困難や描写困難にまず焦点を当てていく介入の重要性が示唆された。調査3では、20~30代の成人を対象に母親的愛着対象による過去の養育体験、アタッチメントスタイルなどに注目した調査を行った。結果、アレキシサイミアは母親的対象からの受容やモニタリング的養育は低く、心理的コントロールの認知が高く、愛着スタイルは回避と不安の高さを特徴としていた。母親対象からの受容とモニタリングの養育は、自伝的記憶への関心を意味するMASのIdentifyingと有意な相関を示しており、治療関係において治療者にコントロールされる恐れを扱いながら、安心できる関係性をまず構築することが必須であることが明らかとなった。
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