2020 Fiscal Year Research-status Report
自分らしく生きられる人とはどのような人か:自由選択事態における報酬反応の機能
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18K03177
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中尾 敬 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (40432702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片平 健太郎 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (60569218)
神原 利宗 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 助教 (90724120)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は脳波と計算モデル解析を用いた実験から,自分の価値基準で選べる自由選択事態(内的基準による意思決定時)に,報酬反応が生起する人ほど内的基準が形成されやすく,外的環境における価値基準からの影響を受けにくいという仮説を検討することを目的としている。 本年度は内的基準による意思決定の計算モデル解析についての論文をまとめ,査読付き国際学術誌に出版された。この成果は昨年度から検討を進めている,外的基準の内的基準による意思決定への影響についての研究の基盤となっているものである。また,自発的脳活動の自己相関の持続性が,自己同一性の主観的感覚とも関連があることを明らかにし,その成果も査読付き国際学術誌において出版された。以前の我々の研究から,自発的脳活動の自己相関の持続性は内的基準による意思決定のランダムさに関わることが明らかとなっていることからも,この自発的脳活動の側面が自己の内的基準の一貫性とか関わっていると考えられる。 本年度は,当初計画にもある,外的基準及び内的基準による意思決定時の脳波の測定を行う実験を進めた。解析プログラムは構築済みだが,新型コロナウイルスの影響により,実験の実施が予定よりも大幅に遅れ,十分なサンプルサイズのデータが得られていないことから,この実験についての成果を得るには至っていない。しかし,この実験のデータの収集を終え次第,上述の自発的脳活動だけでなく,意思決定直後のβγ波といった報酬反応との関連が指摘されている成分についての検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初計画に沿って,外的基準及び内的基準による意思決定時の脳波の測定を行う実験を進めたものの,新型コロナウイルスの影響により実験の実施が予定よりも大幅に遅れ,十分なサンプルサイズのデータが得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
感染症対策を十分に行いつつ,引き続き外的基準及び内的基準による意思決定時の脳波の測定を行う。そのことにより,自発的脳活動に加え,報酬反応を反映する脳活動と,内的基準による意思決定のパラメータとの関連を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により,実験の実施が予定よりも大幅に遅れ,十分なサンプルサイズのデータが得られなかったため。 脳波測定に必要な消耗品や実験参加者への謝金等に使用する。また、論文の執筆と出版といった成果公表に必要な費用にも充てる予定である。
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Research Products
(5 results)