2022 Fiscal Year Annual Research Report
The impact of orthographic-semantic consistency to morphemic processing for Japanese kanji compounds
Project/Area Number |
18K03186
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
日野 泰志 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00386567)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 語の形態-意味対応の一貫性効果 / 文字付加隣接語 / 文字置換隣接語 / 語彙判断課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Hino, Miyamura & Lupker (2011)が報告した形態-意味対応の一貫性の指標を使って語の形態-意味対応の一貫性効果を語彙判断課題と関連性判断課題を使って検討した。Marelli & Amenta (2018)やSiegelman, Rueckl, Lo, Kearns, Morris and Compton (2022)は、English Lexicon Project (Balota, Yap, Cortese, Hutchison, Kessler, Loftis, Neely, Nelson, Simpson, & Treiman, 2007)の語彙判断課題のデータを利用して有意な一貫性効果を報告している。一方、本研究では、関連性判断課題の「関連あり」試行では有意な効果が検出されたものの、関連性判断課題の「関連なし」試行と語彙判断課題では、有意な効果は検出されなかった。 これらの研究間では、一貫性を計算する際に使用する形態隣接語の種類が異なっていた。そこで、新たに、漢字二字熟語を構成する個々の漢字を対象に、その漢字に文字を加えて作成される文字付加隣接語を対象に、漢字レベルの形態-意味対応の一貫性を操作した刺激セットと、漢字二字熟語の一文字を別の文字に置き換えた文字置換隣接語を対象に形態-意味対応の一貫性を操作した刺激セットを作成し語彙判断課題を行った。実験の結果、文字付加隣接語をもとに一貫性を操作した実験でのみ有意な一貫性効果が検出された。この結果から、語彙判断課題で観察される語の形態-意味対応の一貫性効果は、ターゲット語と隣接語が同じ意味を持つ形態素を共有することによる効果であると解釈できる。一方、関連性判断課題の「関連あり」試行で観察された効果は、形態隣接語の意味活性化が、判断生成に影響し、生じた効果であるものと思われる。
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Research Products
(1 results)