2019 Fiscal Year Research-status Report
メンタルトレーニングによる身体内外環境への気づきの統合
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18K03187
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| Research Institution | Waseda University |
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Principal Investigator |
宮田 裕光 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80726696)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | マインドフルネス / 内受容感覚 / 身体 / 自律神経 / 情動 / 注意 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
メンタルトレーニング、ないしマインドフルネス瞑想の実践による成人の心理および身体生理機能の変容について、近年学術的および社会的注目が集まっている。しかしながら、日本国内における本分野の実証的知見の蓄積はいまだ限られている。本研究では、日本人を対象としたメンタルトレーニングの実践ないしマインドフルネスを対象として、身体内外環境への気づきや注意とその統合、および心理的健康度の変容について、心理評定尺度および自律神経活動計測を用いて量的に検証することを目的とした。
平成31年度には、瞑想や武道を含むメンタルトレーニングの長期的実践者、および非実践者の大学生を対象に、内受容感覚への気づきの鋭敏さの測定課題である心拍検出課題、呼吸計数の正確さを検討する測定課題、およびマインドフルネスと心理的健康度に関する心理評定尺度を課した。その結果、長期的実践者においては、自身の心拍の計数の正確さが非実践者よりも有意に高いことを示す証拠を得た。また長期的実践者では、マインドフルネス特性、内受容感覚への気づき、および主観的幸福感に関する心理評定尺度における自己報告得点も、非実践者より有意に高かった。また、安静状態における心臓血管系反応と心拍検出課題遂行の経時的変化、痛みによる心的健康度の悪化のマインドフルネス傾向による調整効果、および食事前のマインドフルネス瞑想による食に関連する心理的健康の改善についても、予備的データを得た。これらにより、国内におけるメンタルトレーニングないしマインドフルネスに関するデータを一定程度蓄積できたと考えられる。
加えて、東洋的行法と心理的健康度に関する雑誌論文を出版するとともに、マインドフルネスおよび東洋的心身修養、心理的健康に関する最新の研究成果を、日本マインドフルネス学会、日本心理学会、北米神経科学学会を含む国内外の学会年次大会等において発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成31年度には、マルチセンサー生理計測システムNeXus-4を用いた自律神経活動計測および質問紙を用いた研究により、メンタルトレーニングの長期的実践者が心拍計数の正確さや内受容感覚への気づき、マインドフルネス特性等について非実践者より高い得点を示す結果を得た。また心臓血管系を中心とする自律神経活動、およびマインドフルネスに関する基礎的データも得ることができた。これらは、今後さらに対象とする実践および参加者数を増やして検討を進める基盤になると考えられる。以上から、研究はおおむね順調に進展していると判断される。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成31年度までに得られた研究結果を踏まえて、メンタルトレーニングないし東洋的心身修養の実践者および非実践者における内受容感覚への気づき、マインドフルネス特性、および心理的健康度に関するデータ取得を引き続き行う。ただし、新型コロナウイルスに伴う自粛の社会状況を勘案し、令和2年度はオンラインでの質問紙調査等を中心とした研究内容に調整することを予定している。
また、得られた研究成果について、国内外の学会等における発表を行うとともに、論文執筆および国内外の学術誌への投稿作業を進める。さらに、メンタルトレーニングの実践者との信頼関係の構築と維持にも引き続き務める。
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