2020 Fiscal Year Research-status Report
統計学習に基づく時間認知と個人の時間管理行動との関連性及びその神経基盤の解明
Project/Area Number |
18K03189
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大塚 幸生 京都大学, 人間・環境学研究科, 特定研究員 (90599987)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 時間知覚 / 視覚統計学習 / 意識 / 無意識 / 物体認知 / 実験心理学 / 無意味図形 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,日常場面で遭遇する統計的規則性の学習という観点から,人の時間認知の過程を明らかにすることを目的とする。昨年度までの研究で,人が物体の時間情報および物体と物体の間の時間情報に基づいて規則性を学習するメカニズムを有すること,さらに時間情報に基づく規則性の学習と個人の時間管理行動との関連性について明らかにした。そこで本年度では,時間情報に基づく規則性の学習を支える神経基盤を検討するfMRI実験を実施する計画であった。 実験では,3つの物体刺激の呈示時間が常に一定になるトリプレット刺激列を作成した。また,物体刺激の呈示時間がランダムであるランダム刺激列も作成した。学習スキャンでは,実験参加者はこの刺激列を観察する。後のテストフェイズでは,学習スキャンで観察した時間の順序情報を持つトリプレット,学習スキャンでは順序としては観察しなかったフォイルを対呈示する。参加者は,学習スキャンを参考にfamiliarity判断課題を行う。最後に,井邑他(2016)が作成した時間管理尺度の質問項目に回答する。 2020年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により,当初計画していたfMRI実験を実施することはできなかった。また,研究代表者は京都大学へ異動したために,本研究を京都大学で実施するために倫理審査を申請し,合わせて京都大学こころの未来研究センターのMRI装置を利用するために安全審査を申請した。MRI装置を利用するための安全講習を受講し,今年度は次年度にfMRI実験を実施する準備を整えることとした。 2020年度は,日本基礎心理学会第39回大会,およびPsychonomic Society's 61st Annual Meetingにおいて研究発表を行った(いずれもオンライン発表)。また,これまでの研究成果をJournal of Cognitive Neuroscienceにて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により,当初計画していたfMRI実験を実施することはできなかった。そのため,2020年度は次年度にfMRI実験を実施するための準備を整えることに努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は3年目までに得られた行動実験の結果を基に,時間情報に基づく規則性の学習に関連する神経基盤を検討していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により,当初予定していたfMRI実験を実施することができなかった。そのため,今年度はMRI装置の利用料金等を支出しなかった。また,同じ理由により,当初参加予定であった国内学会および国際学会に参加しなかったために,旅費を支出しなかった。これらの理由により,次年度使用額が生じた。次年度は,MRI実験の利用料金およびMRI実験の結果を分析する際に使用するPCを購入するために使用する計画である。
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Research Products
(3 results)