2022 Fiscal Year Annual Research Report
Children's yes bias and preferences toward others
Project/Area Number |
18K03190
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
大神田 麻子 追手門学院大学, 心理学部, 准教授 (90725996)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肯定バイアス / 男の子バイアス / ジェンダーステレオタイプ / ロボット認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、子どもが気遣いや信頼から集団内・外のロボットや大人の質問に肯定バイアスを示すか検討した。2022年度は大人が自分自身について聞くポジティブとネガティブな質問について肯定バイアスを示すか検討し、3歳児と5歳児は大人のポジティブな質問には肯定バイアスを示し、5歳児のみネガティブな質問に否定バイアスを示すことが分かった。この結果についてはロボットとの比較を行った上で英語論文にまとめ、国際学術雑誌に投稿予定である。その他に集団内他者に対する選好について人種の観点からも検討した。 研究期間全体では以下の2つの検討を行った。1つ目は対面のロボットの聞く物の知識に関する質問と、ロボットと大人が自身のポジティブまたはネガティブな特性に関する質問に対する肯定バイアスについての検討であった。人間とロボットに対する子どもの回答には差がなく、年少児はさまざまな質問に肯定バイアスを示し、年長児は文脈により双方に気遣いを示すことがわかった。2つ目は集団内の他者に関する検討であった。ロボットへの性別の付与やジェンダーステレオタイプについて調べたところ、4、5歳ごろからロボットは男の子と認識するが、少なくても7 歳ごろまでは人間の場合と同様にロボットを同性(男の子)の仲間に含める、あるいは大人のようにロボットにジェンダーステレオタイプを適用することはなかった。また、ロボットを女の子らしい色(ピンク)にしても女の子とは認識されなかった。さらに見た目から集団内の他者との認識が生じるかについて検討した。黒髪、黒目の人形は同様の特徴を持つ人間の場合と同じように日本人と認識され、大人と同様幼児にも集団内の存在になりうることが分かったが、かわいさや親切さなどについては必ずしも集団内の他者が高く評価されるわけではないことも明らかとなった。今後、性別や見た目に加え、言語についても検討していく必要がある。
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