2020 Fiscal Year Research-status Report
瞳孔径を用いた犯罪捜査のための心理検査法に関する研究
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18K03195
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
小川 時洋 科学警察研究所, 法科学第四部, 室長 (60392263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常岡 充子 科学警察研究所, 法科学第四部, 主任研究官 (80623199)
松田 いづみ 青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (80356162) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 瞳孔径 / 自伝的潜在連合テスト / 反応時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,これまでに取得した自伝的潜在連合テスト(autobiographical Implicit Association Test, aIAT)の実験データの分析を行った。この実験では,参加者が2枚のトランプカード(4もしくは7)のうち,どちらのカードを選んだのかを調べるものであり,測定指標として,反応時間,瞳孔径および自律神経系指標を測定した。 実験では,参加者は2枚のカードのどちらかをブラインドで選択した後で,aIATを受けた。aIATのメインブロックは,カード4を選んだことを示す短文,実験状況に当てはまる短文への反応がキーを共有するブロック(カード4+真ブロック)と,カード7を選択したことを示す短文と,実験状況に当てはまる短文への反応キーが同じとなるブロック(カード7+真ブロック)があった。選んだカードに関わる文章と,正しい内容の文章に対して同じキーで回答する条件を適合条件,選んだカードに関わる文章と,誤った内容の文章に対して同じキーで回答する条件を不適合条件とした(例:4のカードを選んだ参加者にとっては,カード4+真ブロックが適合条件,カード7+真ブロックが不適合条件となる)。 分析は,メインブロックの反応時間および生理指標を対象とした。その結果,適合条件の反応時間は不適合条件よりも短く,一般的なIATの結果が再現された。さらに,ブロック中の平均瞳孔径も,適合条件の方が不適合条件よりも有意に小さかった。一方,心拍数などについては,有意な差異が見られなかった。以上の結果は,瞳孔径がaIATの指標となりうることを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症拡大のため,当初予定していた新たな実験の実施ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症拡大に関わる社会情勢を踏まえつつ,新たな実験実施に向けて検討する。
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Causes of Carryover |
本年度は,新型コロナウィルス感染症拡大のため,学会等の出張,実験実施などがなかった。研究期間を当初よりも延長し,社会情勢が改善すれば,実験等のために使用するほか,成果公表のための旅費や英文校閲等に係る費用として支出する。
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Research Products
(1 results)