2019 Fiscal Year Research-status Report
a generalization of the notion of a module for a vertex algebra
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18K03198
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田邊 顕一朗 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (10334038)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 代数学 |
Outline of Annual Research Achievements |
非退化偶格子に付随する頂点代数の部分代数上の弱加群について研究を継続して進めた. 格子が正定値である場合には,格子頂点代数はC2余有限な頂点作用素代数となり,多くの興味深い頂点作用素代数を部分代数として含んでいる.特に位数が2および3の自己同型に対する不変部分代数の表現はヅーの理論を用いてこれまで詳しく調べられており,既約加群は分類され,また全ての加群が完全可約であることが分かっている.これらの結果はムーンシャイン頂点作用素代数の新しい構成や,正則な頂点作用素代数の構成に用いられている. 正定値でない格子に付随する頂点代数も重要な対象であり,例えば,ムーンシャイン頂点作用素代数とランク2の偶ローレンツ格子に付随する頂点代数のテンソル積からモンスター・リー代数が構成されている.しかし,この場合は格子頂点代数が頂点作用素代数にならないため,その表現は,弱加群とよばれる通常の加群よりもひろい対象を扱う必要がでてくる.弱加群にはヅーの理論を用いることが出来ないため,これまで弱加群がどうなっているかは格子頂点代数自体の場合を除いて全く分かっていなかった.昨年度,筆者は非退化偶格子に付随する頂点代数と.格子の各元の符号を反転させる位数2の自己同型から得られる頂点代数の自己同型に対して,その自己同型による不変部分代数の既約弱加群を分類した. 今年度はランクが1の場合ではあるが,負定値偶格子の場合に格子頂点代数の不変部分代数に対して,その任意の弱加群が完全可約であることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
格子頂点代数の不変部分代数に対して,ランクが1の場合ではあるが,弱加群の完全可約性が示せたため.
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Strategy for Future Research Activity |
ランクが一般の場合に,格子頂点代数の不変部分代数に対して弱加群の完全可約性を示す.
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Causes of Carryover |
covid-19の影響で日本数学会2020年度年会が中止されたことにより,出張を取り止めた.そのため次年度使用額が生じた.この次年度使用額は頂点代数関連の書籍購入に用いる.
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