2020 Fiscal Year Annual Research Report
a generalization of the notion of a module for a vertex algebra
Project/Area Number |
18K03198
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田邊 顕一朗 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (10334038)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 代数学 |
Outline of Annual Research Achievements |
非退化偶符号に付随する頂点代数および位数が2の自己同型による不変部分代数は頂点代数において重要な対象であり,例えばムーンシャイン頂点作用素代数の構成に用いられている.格子が正定値の場合はそれらはC2余有限な頂点作用素代数となるため,その表現は,多くの研究者の成果によってよく分かっており,正則な頂点作用素代数の構成に応用されている.格子が正定値でない場合は,格子頂点代数自身が加群ではなく,弱加群になっている。したがってその表現については,通常の加群の圏ではなく,弱加群の圏を調べることが自然である.弱加群は,Li(1996)による,頂点代数の局所系の研究において導入された概念であり,通常は調べることが困難だと思われてきた対象である.通常の加群におけるヅー代数のような有用な道具がないためである.格子頂点代数の場合は、その頂点代数としての構造の簡明さからDong(1993)による結果で弱加群の圏はよく分かっていた.しかし、他の場合には既存の手法が全く使えなくなるため、弱加群については何も分かっていない状態であった。特に不変部分代数は、よいムーンシャイン頂点作用素代数のよい構成に関わるはずであるため、その弱加群を決定することは、長年解決が待たれていた問題であった。筆者は昨年から引き続き,非退化偶符号に付随する頂点代数の位数が2の自己同型による不変部分代数を研究を行った.今年度は,その不変部分代数の任意の弱加群が完全可約であることを示した.
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