2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the formal groups of low-dimensional Calabi-Yau varieties
Project/Area Number |
18K03200
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
後藤 泰宏 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40312425)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 数論幾何 / 形式群 / カラビ・ヤウ多様体 / デルサルト型多様体 / 国際研究者交流(カナダ) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、正標数の体上定義されたカラビ・ヤウ多様体の形式群の特徴を調べることである。考察する形式群はいずれも1次元の形式群であり、高さと呼ばれる量によって分類される。具体的な目標は、K3曲面や楕円曲線によるファイブレーションを持つ3次元カラビ・ヤウ多様体について、各ファイバーの形式群と本体の形式群との間にある関係性の調査と、3次元カラビ・ヤウ多様体の形式群の高さが取りえる値の範囲や特徴的な形式群を持つカラビ・ヤウ多様体の性質等に関する考察である。 新型コロナウイルス感染症の影響で研究期間を延長することとなり、令和4年度が計画5年目となった。これまで、Borcea-Voisin型多様体やデルサルト型多様体といった比較的構造が明確な多様体を考察の中心に置き、各ファイバーと本体の形式群の高さに関する関係式を記述し、形式群の高さの値を具体的に求めてきた。それらの結果をもとに、令和4年度は4次元多様体も考察の対象に含め、研究協力者の由井典子氏と意見交換を行いながら次の結果を得た。(1)3次元多様体において得られた関係性を一般次元のカラビ・ヤウ多様体に拡張することを目指し、4次元デルサルト型カラビ・ヤウ多様体における形式群の高さの求め方を明確にし、計算ソフトMagmaを用いて数量的な計算を実行した。(2)カラビ・ヤウ多様体の形式群と密接に関わるNewton多辺形に注目し、3次元デルサルト型カラビ・ヤウ多様体においてNewton多辺形の辺々の傾きを計算し、それらの値と多様体の幾何的特徴等との関係性を考察した。 また、2022年8月に国際研究集会「Workshop on Calabi-Yau Manifolds and Mirror Symmetry」を学習院大学で開催し、2023年2月に研究協力者の由井典子氏とカナダで研究打合せを行い共著書の執筆を進めた。
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Research Products
(3 results)