2021 Fiscal Year Research-status Report
数論的Gan-Gross-Prasad予想の一般化とそのp進類似の研究
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18K03202
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
千田 雅隆 東京電機大学, 未来科学部, 准教授 (00451518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三枝 洋一 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (70526962)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Beilinson予想 / Beilinson-Flach元 / モチビックコホモロジー / 久賀・佐藤多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
数論的Gan-Gross-Prasad予想はGross-Zagier公式のユニタリ群及び直交群の志村多様体への一般化であり,そのp進類似として捉えられる公式が(いくつかの高次元の場合も含めて)Bertolini, Darmon, Rotgerらの研究グループにより研究され,BSD予想といった数論的に重要な問題に対しても応用がなされている.モジュラー曲線の二つの直積のK群の元として定義されるBeilinson-Flach元は直接的には数論的Gan-Gross-Prasad予想の枠組みで扱われる対象ではないが,Euler systemの理論を通して一般化Heegnerサイクルなどとも深く関係し,近年のLoeffler-Zerbesらによる高次元の場合のBloch-加藤予想の研究では重要な役割を果たしている.今年度は主にENS de LyonのFrancois Brunault氏と共同でBeilinson-Flach元の整モデルへの拡張に関する研究を行ったが,新型コロナウイルス感染症の影響のため,直接対面して議論する機会が持つことができず,当初の予定通りに研究を進展させることはできなかった.本研究を始める準備として,久賀・佐藤多様体の整モデルのモチビックコホモロジーについての考察を行い,Schollによる久賀・佐藤多様体のコンパクト化の境界のコホモロジーへの寄与の計算が整モデルにも拡張できるかどうかについての議論をBrunault氏と行った.また,Eisenstein symbolの理論の整モデルへの拡張についても検討を行い,部分的な結果を得ることはできたが,当初の目的はまだ達成されていないという状況である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度も新型コロナウイルス感染症の影響のため,対面での研究打合せや研究集会・セミナーへの参加がほとんど出来ず,共同研究者や関連する分野の研究者と直接 十分な時間をかけて議論が行えなかったことから,予定よりも研究を進めることができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は新型コロナウイルス感染症の状況が改善し,以前よりも対面での研究打合せや研究集会への参加ができやすくなると考えられる.そのため,今後は共同研究者や関連分野の研究者と十分時間をかけて議論するため,積極的に訪問・招聘を行い,さらに関連分野の研究集会・セミナーなどに活発に参加することで研究を促進させたい.もし再び状況が悪くなるようなことがあれば,オンラインで研究交流を行う手段も改善されてきていることから,共同研究者とのオンラインでの議論やオンライン研究集会などへの参加を行うことで研究を進展させていきたい.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により,研究打合せや研究集会参加のための旅費に研究費を使うことができず,物品購入費のみの使用となったため,次年度使用額が生じた.翌年度に新型コロナウイルス感染症による影響が少なくなった場合は共同研究者との打合せによる出張,関連する研究分野の研究者の招聘や研究集会への積極的な参加のために次年度使用額を利用したいと考えている.
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