2021 Fiscal Year Research-status Report
Efficient algorithms in computational algebraic analysis and deformations of singularities
Project/Area Number |
18K03214
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
鍋島 克輔 東京理科大学, 理学部第一部応用数学科, 准教授 (00572629)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 包括的グレブナー基底系 / ネター作用素 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は特異変形に必要なパラメータの介在したシステムの数式処理の研究に大きな進展があったと共に,計算代数解析アルゴリズムに必須の道具となりつつあるネター作用素の計算法に大きな進展があった。「包括的グレブナー基底系の新たな計算アルゴリズムの発見」、「ゼロ次元イデアルのネター作用素の計算法の研究」、「特異点変形に対応したパラメータ付きb-関数の研究と実装」が2021年度の研究成果である。 グレブナ―基底の安定性を用いて構成されている包括的グレブナー基底系計算アルゴリズムのボトルネックを解消すべく新たな計算法を考案し、今まで計算できなかったものを計算できるようにした。また、ネター作用素計算の新たなアルゴリズムを構成し、現存するプログラムの中で最速のネター作用素プログラムを作成した。 原点以外に台を持つ場合の代数的局所コホモロジー計算の新たな考察も行い、進展しつつある。2021年度は計算代数解析アルゴリズムの基礎的な道具の研究・開発に大きな進展があった。これにより、多方面からの研究アプローチができるようになった。 新たな計算機代数を目指し、ネター作用素と代数的局所コホモロジーを用いて、多項式環のイデアルを表現し、計算機代数学(数式処理)の理論を書き換える研究も同時に行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題からは、想定よりも多くの結果が次々と得られており、その多くが論文としてすでに出版されている。また、研究を始める前に想定していたことよりも、多くのものに関連があり、関連するものの研究も同時並行で行っている。得られた新たな結果を用いることにより、前年度まの結果を更により良いものに改良することもできている。 特異点の性質や、PBW代数の性質を利用し計算量が大きいAnn(f^s)とb-関数の計算法に新たな改良もなされた。当初予定していた研究内容の大部分については着手すると共に良い結果が得られており,また,本研究課題での数学的な対象となる計算法の改良も随時行われていると共に、想定した対象の計算法は確立しているがコンピュータへ実装がいくつか残っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の1つ目は、近年得られた新たな包括的グレブナー基底系計算アルゴリズムを偏微分作用素環でのグレブナー基底に適用しコンピュータに実装することである。2つ目は、PBW代数の性質とsyzygyを利用した Ann(f^s) を計算するアルゴリズムの実装とパラメータ版への拡張を行う。半擬斉次特異点の性質を利用したAnn(f^s)の計算法とPBW代数の性質を利用した方法の融合も検討する。 上記の実装が終わり次第、inner modality 3 以上の半擬斉次特異点のb-関数の特異点変形におけるパラメータ依存性を計算する。 当初予定していた研究内容の大半は、予想通り進んでおり良い結果が得られている。上記の研究が終わり次第、新たな計算機代数の理論展開を目指し、ネター作用素と代数的局所コホモロジーを用いて新たな数式処理アルゴリズムの構成を行う研究に着手する。
|
Causes of Carryover |
予定していた国際会議、国内研究集会、研究打合せ出張がコロナ禍で中止となり差額が残金となった。次年度に研究成果を対面の研究集会で発表するための旅費として使用する予定である。
|
Research Products
(13 results)