2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the belonging problem of polynomial automorphisms and related fields
Project/Area Number |
18K03219
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
黒田 茂 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (70453032)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多項式環 / 自己同型群 / 加法群作用 / 指数自己同型 / 正標数 / 不変式環 / Anick自己同型 / イニシャル代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,多項式環や周辺領域の種々の難解な問題の研究に寄与することを目的として,多項式環の自己同型群やその部分群等から手掛かりを得つつ,多項式環研究に取り組むことを企図したものである.当初の想定を大きく超えて研究は展開し,様々な方向性の成果に結びついた.主要なものをいくつか挙げる. (1)determinant fixingな自己同型の余順性や,セグレ多様体のアフィン錐の自己同型の野生性等の研究を行った.これらは多項式環において新たなクラスの自己同型を定義し,それらのなす群やその部分群を扱ったものであり,よく知られたAnick自己同型の一般化に関する研究ととらえることもできる.この研究で得た知見を非可換多項式環の場合に応用することで,Leavitt代数の自己同型の研究でも成果を得た. (2)多項式環の研究では,部分代数から定まるイニシャル代数の概念がしばしば重要な役割を果たすが,その構造の決定は1変数の場合でも容易ではない.今回,多項式環の新たな部分代数のクラスを定義し,それらのイニシャル代数の構造(特に「非有限性」)を極めて明快に決定できることを示した. (3)係数環の標数がp>0の多項式環の自己同型群の研究において,位数pの自己同型は重要な役割を果たすと考えられるため,それらの分類,不変式環,台座イデアル等に関して詳細な研究を行い,多くの成果を得た.この研究は,その後さらなる発展を遂げている. 最終年度は研究全体を総括するとともに,(3)から派生した新たな課題に取り組んだ.この研究は2022年度からの研究課題22K03273のテーマの1つとして実施しており,得られた成果の詳細はその報告書に記載してある.
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