2019 Fiscal Year Research-status Report
Simply Connected Distance-Regular Graphs
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18K03222
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
鈴木 寛 国際基督教大学, 教養学部, 名誉教授 (10135767)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 距離正則グラフ / グラフの基本群 / グラフの普遍被覆 / 代数的組合せ論 / 代数的グラフ理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終的な目標は以下の二つである。Γ を 距離正則グラフ(DRG)とする。 A. π(Γ, x, 6) = π(Γ, x) である直径の大きな DRG で、任意の距離 3 の二点 x, y について、直径が 3 の、Classical DRG で、これらを含み、 geodetically closed であるものが存在すれば、Γ は、Classical DRG である。 B. Geometric Girth が 7 以上で、直径の大きな DRG は存在しない。 A に関し、Classical DRG は、π(Γ, x, 6) = π(Γ, x) を満たすことは、Q多項式型としての性質を用いて、代数的な方法で示されているが(未発表)幾何的 またはグラフ理論的手法でも、証明を試み、いくつかの場合には、成功した。(未発表)一般的に、証明可能かは、まだ不明である。B に関しては、まだ手がか りが得られていない。 本研究計画の土台をなしている、二件の論文は、すでに印刷されているが、この分野では、まったく新しい方向性の結果であるため、注目はされているが、十分理解されていない。Slovenia での国際シンポジウムで発表すると共に、同国の他の場所で開かれた、若手研究者の勉強会(サマースクール)にも出席することができた。近隣のしかし、異なる分野のトピックについて多くの若手とともに学ぶ刺激的な時となった。長崎および京都での研究集会にも出席し、多くの研究者と議論することができた。また、関連する問題について、興味をもつ、海外の若手研究者も複数現れた。これらの研究者との研究を、継続しているが、大きく進展するには、至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
雑誌に掲載された論文からの情報収集、隣接分野の専門書から学ぶこと、査読などを通して、最新の結果を深く理解すること、構想を整理すること、研究者との 電子メールや、論文の交換などを通して、情報交換することは、予定通り行った。 ベルギーの研究者および中国の研究者との交流を計画したが、互いの計画が合わず、実施に至らなかった。 また、海外の若手研究者との交流もあらたにスタートしたが、まだ、国際的には、認知されている段階で、刺激しあう段階には至っていない。個人的にも、あらたな挑戦に時間をかけすぎて、結果をまとめるなどの時間がとれていない。
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Strategy for Future Research Activity |
1. Classical DRG が単連結であることを、構造論から示す。一般的に証明することができればよいが、知られている Classical DRG については、具体的に示す。 2. 問題 A の解決に挑む。特に、ベルギーの研究者が、構造論だけから、Regular Near Polygon で thick line かつ c3>2 の分類を最近証明しており、Regular Near Polygon の場合を完成させることが、最初のステップだと思われる。コロナウイルス感染拡大の状況によっては、困難かもしれないが、2019年度に実施できなかった、ベルギーの研究者との交流をはかり、議論を進めたい。 3. Completely Regular Code となる、Geodetically Closed Subgraph で 直径が3までのものの存在を仮定して、普遍被覆を構成することを検討し、いくつか の場合には、解決する。 4. 基本群の性質などを、調べることで、問題 B の解決の糸口を掴む。 5. 近隣分野の研究集会に参加して、研究の方向性についても、意見を得ながら全体の研究計画を具体化する。夏の国際数学者会議に関連して、Slovenia で大きな国際シンポジウムがあるが、コロナウイルス感染拡大が収まるかどうか不明で、現時点では、明確な判断はできていない。その場合は、電子メールだけではなく、オンラインでの交流を活発にして、情報交換をすることを検討する。
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Causes of Carryover |
Slovenia での、国際シンポジウムの時期にあわせてベルギーの研究者を訪問し研究交流をはかる予定であったが、調整ができず、2020年度以降に延期としたため、余剰金が生じた。
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Research Products
(1 results)