2021 Fiscal Year Research-status Report
Simply Connected Distance-Regular Graphs
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18K03222
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
鈴木 寛 国際基督教大学, 教養学部, 名誉教授 (10135767)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 距離正則グラフ / グラフの基本群 / グラフの普遍被覆 / 代数的組合せ論 / 代数的グラフ理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終的な目標は以下の三つである(C を追加)。Γ を距離正則グラフ(DRG)とする。 A. π(Γ, x, 6) = π(Γ, x) である直径の大きな DRG で、任意の距離 3 の二点 x, y について、直径が 3 の、Classical DRG で、これらを含み、 geodetically closed であるものが存在すれば、Γ は、Classical DRG である。 B. Geometric Girth が 7 以上で、直径の大きな DRG は存在しない。 C. DRG の 被覆および基本群に関する一般論の展開。 A に関し、Classical DRG は、π(Γ, x, 6) = π(Γ, x) を満たすことは、Q多項式型の性質を用いて、代数的な方法で示されている。幾何的またはグラフ理論的手法でも証明を試み、いくつかの場合には成功した。一般的な場合の証明は、難しいかもしれない。B に関しては、手がかりが得られていない。 本研究計画の土台をなしている、二件の論文は、すでに印刷されているが、この分野では、まったく新しい方向性の結果であるため、注目はされているが、十分理解されてはいない。2019年のSlovenia での国際シンポジウム・その後、同国の他の場所で開かれた、若手研究者の勉強会(サマースクール)での発表や議論から、興味を持ってくれている若手研究者がおり、共同で研究がある程度進展している。国内の研究者または、そのもとにいる大学院生からも質問を受けており、C の整備とまず取り組むのが適切であると思われる。コロナ禍でも、様々なコミュニケーション手段を使って、連絡を取り合っているが、対面で議論することとの差は否めないだけでなく、交流の拡大には困難を覚えている。 距離正則グラフに関する査読でも研究者交流が進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
雑誌に掲載された論文からの情報収集、隣接分野の専門書から学ぶこと、査読などを通して、最新の結果を深く理解すること、構想を整理すること、研究者との電子メールや、論文の交換などを通して、情報交換することは、予定通り行っている。スロベニアの研究者および、静岡大学の研究者との研究交流を断続的に実施している。ただし、コロナ禍で、会って議論する機会が失われ、他の方法でコミュニケーションは可能であるものの、効率が下がっていることは否めない。また、新しい分野に取り組んでいることも有り、全く異なる分野の研究者との交流が必要であるにも関わらず、それができないでいる。コロナ禍の終息を待たず、個人に進められる部分から、作業をし、成果を上げるとともに、問題を広く周知することにも尽力したい。個人的にも、本研究分野以外(関連はあるが直接的ではない分野)の課題への挑戦に時間がとられ、本研究の結果をまとめる時間がとれていないことは反省点である。しかし、GAP (Group Algorithm and Programming)や、SageMath のプログラムを動かす習熟度は増し、これまでとは異なる手法で研究を進めることができるようにはなっている。多少の回り道ではあったが、本研究の推進に資すると期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
1. Classical DRG が単連結であることを、構造論から示す。一般的に証明することができればよいが、知られている Classical DRG については、具体的に示す。 2. 問題 A の解決に挑む。特に、ベルギーの研究者が、構造論だけから、Regular Near Polygon で thick line かつ c3>2 の分類を最近証明しており、Regular Near Polygon の場合を完成させることが、最初のステップだと思われる。コロナウイルス感染拡大の状況によっては、困難かもしれないが、2020年度以降に実施できなかった、ベルギーの研究者との交流をはかり、議論を進めたい。 3. Completely Regular Code となる、Geodetically Closed Subgraph で 直径が3までのものの存在を仮定して、普遍被覆を構成することを検討し、いくつか の場合には、解決する。 4. 基本群の性質などを、調べることで、問題 B の解決の糸口を掴む。また、GAP も利用しながら、ていねいに、問題 C とも取り組み、問題の重要性を周知するためにも、基本的な結果を研究成果としてまとめる。 5. 一方でコロナウイルス感染拡大の様子をみながら、まず国内の研究者と交流をし、実際に、通信手段を用いて議論している問題について、詰め、成果へと結びつける。 6. 研究集会および国際シンポジウムにおいて、新しい結果にふれる面は、遠隔(ビデオ会議)でも可能である。しかし、特に、異なる分野の研究者との交流で、形になっていない研究について話し合うことが大きな糧となっていたことに、気付かされた。最周年でもあるので、未発表のものを論文の形にするなど、具体的な方策を立てて取り組む。
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Causes of Carryover |
国際シンポジウムの中止となり、海外出張による研究交流ができなくなった。 また、国内でも、同様の状況が続いている。少し、感染状況が改善したときに、出張を計画したこともあるが、相手大学の感染者急増などもあり、実施できなかった。オンラインでのシンポジウムで、新しい結果について情報を得ることはある程度できるが、本研究の様に、新しい研究分野では、直接的な議論が必要であり、予定を大きく変更せざるを得なかった。 GAP や、SAGE Math を使った、プログラミングは進んだが、既存のコンピュータのバッテリーを交換で、購入を次年度以降に先送りしたものもある。
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