2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study of L-functions and regulators of motives via special functions
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18K03234
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大坪 紀之 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (60332566)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 超幾何関数 / モチーフ / 虚数乗法論 / 有限体 / 周期 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である2022年度には、有理数をパラメータにもつ一般超幾何関数rFs (r=s+1) に対して、それを周期にもつモチーフを定義した。そのガロワ表現へのフロベニウス作用のトレースは有限体上の超幾何関数になる。さらに、超幾何モチーフのp進周期 (pは素数) によってFontaine環B_dRに値を持つp進超幾何関数を定義した。この結果は東北大学における研究集会で発表した。 また、朝倉政典氏(北大)との共同研究で、超幾何モチーフのエタールコホモロジーを用いて、アデール的な超幾何関数を定義した (ただし特殊Gauss型に限る)。これは有理数体の絶対ガロワ群を変数に持ち、フロベニウス特殊化によってすべての有限体上のすべての (同じ型の) 超幾何関数が現れるようなもの (言い換えると、すべての有限体上の超幾何関数を補完するもの) である。この関数はlambda=1における特殊化によって、伊原-Andersonのアデール的ベータ関数 (すべてのJacobi和を補完する関数) となる。これはEuler-Gauss和公式のアデール版だと言える。 CMモチーフの周期に関するBruno Kahn氏 (Jussieu) との共同研究においては、特にそのp進周期に関して議論を継続した。この共同研究の内容については京都大学数理解析研究所における研究集会で発表を行った。 また,研究集会「L-functions and Motives in Niseko 2022」を開催し、上記の研究の推進に役立てた。 研究期間全体を通じて、超幾何関数論の統一的な理解 (変換公式の証明、モチーフの構成、有限体上の超幾何関数の一般的な定義と諸性質) や数論的な拡張 (p進超幾何関数の定義、アデール的超幾何関数の定義) が、想定以上に大きく進み、L関数やレギュレーターへの応用へ向けて前進したと言える。
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Research Products
(9 results)