2020 Fiscal Year Annual Research Report
Structure of certain normal algebraic surfaces
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18K03240
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中山 昇 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (10189079)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 代数幾何 / 代数曲面 / 自己正則写像 |
Outline of Annual Research Achievements |
正規代数曲面について, (A) 全射自己正則写像をもつ正規射影的曲面の構造, (B) 非有理点を持つ 4 次曲面の定義方程式, の2つのテーマについて研究するのが目的であった. 研究テーマ (A) では予想以上の成果を得ることができたが, 研究テーマ (B)については研究する時間がほとんどなかった. (A) では, 過去の10数年前の未発表の論文の成果にきちんとした証明を与え, また困難だった未解決問題を解決し, その結果, 少なくともピカール数1の対数的デルペッツォ曲面以外の複素射影的正規代数曲面について, 非同型な全射自己正則写像をもつための必要十分条件を, 曲面の構造条件として記述することに成功した. 具体的にいうと, 以下の(1) から (5) のいずれかの曲面からの有限次ガロア被覆写像で, 特異点以外では不分岐となるもの, をもつことが同値である. (1) 二つの非特異射影的代数曲線の直積であり, そのどちらかは射影直線ではない; (2) アーベル曲面; (3) 楕円曲線上の射影直線による束, または錐; (4) 射影直線上の射影直線束であり, 被覆のガロア群が束構造を保つ; (5) トーリック曲面であり, 被覆のガロア群が開トーラスを保つ. 証明に至る議論の大部分では10数年前の未発表の論文のアイデアが使われるが, 未解決問題では, 過去に研究した, 擬トーリック曲面と半トーリック曲面の性質が重要な役割を果たした. なお (A) に関する論文は5つに分けてプレプリントとして公表したが, 全て合わせて約 350 ページある. この大量の文章の執筆のために思いの外時間がとられ, テーマ (B) を研究する時間がほぼ取れなかった.
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Remarks |
研究成果としてプレプリントを RIMS preprint series に公表した. (1) において RIMS-1920, RIMS-1923, RIMS-1934, (2) において RIMS-1941, RIMS-1943 が該当する
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