2020 Fiscal Year Research-status Report
Stanley-Reisner イデアルの算術階数とその記号的べきの射影次元
Project/Area Number |
18K03244
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
寺井 直樹 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (90259862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 杏子 静岡大学, 理学部, 准教授 (60572633)
吉田 健一 日本大学, 文理学部, 教授 (80240802)
宮崎 誓 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (90229831)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Stanley-Reisner ideal / second symbolic power / binomial edge ideal / licci |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、Stanley-Reisner イデアルのべきについてその可換環論的、ホモロジー代数的性質を考察し、組合せ論的応用を探ることにある。可換環の満たす最も重要な性質としてCohen-Macaulay性がある。したがって、Cohen-Macaulay性を判定する条件を与えることや、そのような環を分類することは極めて意義深い。 本年度発表の結果として、次の二つが挙げられる。 1,4次元以下で余次元3のlevel Stanley-ReisnerイデアルでCohen-Macaulay type が2であるものについてGiancarlo Rinaldo氏、吉田健一氏とともにデータベース作りを行った。そして、それを用いてその中で記号的2乗がCohen-Macaulay性を持つものを分類した。また記号的2乗がCohen-Macaulay性を持つという性質はlicci性を持つという性質と同値で有り、また、付随するねじれ余正規加群がCohen-Macaulay性を持つという性質とも同値であることを示した。 2,イデアルの環論的性質を保つ変形としてlinkage による変形がある。特に完全交差に変形できるものをlicci(linkage class of complete intersection)と呼び、そのイデアルの特徴づけは可換環論における重要な問題であると考えられている。グラフに付随する2項辺イデアルに関してそれがCohen-MacaulayであるときにCastelnuovo-Mumford正則度についての上限評価をグラフの言葉で与えた。それを用いてグラフに付随する2項辺イデアルがlicci性を持つものを分類した。これはViviana Ene氏とGiancarlo Rinaldo氏との共同研究の結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナの影響により国内及び国外出張を取りやめざるを得なかった。メールでのやりとりで補ったものの研究の進展がやや遅れたことは否めない。
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Strategy for Future Research Activity |
4次元以下で余次元3のlevel Stanley-ReisnerイデアルでCohen-Macaulay type が2であるものについてその中で記号的2乗がCohen-Macaulay性を持つものを分類し、記号的2乗がCohen-Macaulay性を持つことがlicci性を持つことと同値で有り、また、付随するねじれ余正規加群がCohon-Macaulay性を持つという性質とも同値であることを示したのであるが、次元が4という条件ははずせそうなので、一般の次元について成立するかどうかを詳しく調べ、反例がないようであれば、証明を考えていきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響により国内及び国外出張を取りやめざるを得なかった。状況が不確定があるが、次年度は可能であれば国外出張を行い、直接研究討論を行いたい。
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Research Products
(6 results)