2020 Fiscal Year Research-status Report
The modular representation theory of combinatorics structures and its applications
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18K03245
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
島袋 修 長崎大学, 教育学部, 准教授 (40413736)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アソシエーションスキーム / モジュラー表現 / 隣接代数 / 標準加群 |
Outline of Annual Research Achievements |
ボース・メスナー代数は、標数0の体上でのアソシエーションスキームの隣接代数であり、常に半単純であるが、アソシエーションスキームの隣接代数は任意の体上で定義できる。一般に、正標数の体上では半単純とは限らない。正標数の体上のアソシエーションスキームの隣接代数はモジュラー隣接代数と呼ばれる。このようなアソシエーション・スキームのモジュラー表現を調べる試みは、2000年頃から始まっている。 例えば、花木章秀氏(信州大学)と宇野 勝博氏(大阪大学)は、モジュラー表現を用いて、素数次のすべてのアソシエーション・スキームが可換であることを証明した。また、花木章秀氏(信州大学)と吉川昌慶氏(兵庫教育大)により、クラス2のモジュラー標準加群の直既約分解から強正則グラフのパラメータよりも詳細な特徴付けの可能性が示唆されている。一般に、モジュラー隣接代数から得られる表現型がワイルドの場合は、モジュラー標準加群の直既約分解を求めることのは難しい。 この研究は、彼らによって確立されたモジュラー表現の研究の流れの中で、一連の結果に属するものである。標数2の体上のハミングスキームH(n, 2)のモジュラー標準加群の直既約分解について考え、nが小さい場合にいくつかの部分加群が直既約加群になり、それらがモジュラー標準加群になることが証明できた。また、一般的に考えるには構造が非常に複雑であるが、ハミンググラフの対称鎖分解の結果を用いることは、次数の大きなハミングスキームに対しても有効であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響により授業形態がオンラインとなった。そのため、教材作成に時間を取られた。また、研究集会のほとんどが中止となったため、研究者との打ち合わせができなくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
対称鎖分解がハミンググラフの頂点集合の分解に使えることがわかったので、パラメータqが2の場合のハミングスキームのモジュラー標準加群の構造を基にし、パラメーターqが2以外のハミングスキームのモジュラー標準加群の構造決定の検討を行う。パラメータqを一般的にすると隣接代数の構造が複雑になることが分かっているので、手始めにパラメータqが2べきの場合の構造決定を行う予定である。この場合、隣接代数構造はH(n,2)と同型であるが、モジュラー標準加群の構造は異なると思われる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により参加を予定していた会議が中止になったため、また、今年度はウェブ会議に対応するための機材購入に変更したい。
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