Outline of Annual Research Achievements |
指数型不定方程式 a^x+(a+b)^y=b^z の整数解に関して予想し, a, b の特別な場合にその予想が正しいこと示した. その証明は, Bugeaudによるm-adic method(Baker理論)や一般化されたRamanujan-Nagell方程式 x^2±2^m=y^n, x^2+D=2^nに関する深い結果による. この結果を含む論文は, 2019年にPubl. Math. Debrecenで出版された. また, 指数型不定方程式(pm^2+1)^x+(qm^2-1)^y=(rm)^zは, ただ一つの正の整数解(x,y,z)=(1,1,2)を持つことを予想した. ただし, p,q,rはp+q=r^2を満たす正の整数である. 特に, (4m^2 + 1)^x + (21m^2-1)^y = (5m)^z, (3m^2 + 1)^x + (qm^2-1)^y = (rm)^z に対し, 上の予想が(いくつかの条件の下で)正しいことを確かめた. これらの結果を論文として纏め雑誌に投稿し受理され, 出版される予定である. 「指数型不定方程式a^x + b^y = c^z と x^2 + b^m = c^n の最近の進展について」という題目で第64 回代数学シンポジウム(於東北大学)において講演した. また, 「指数型不定方程式 a^x + b^y = c^z について」という題目で松江数論セミナーにおいても講演した.
2019年10月12日・13日に佐賀大学理工学部において,「2019大分佐賀整数論研究集会」を代表世話人として主催した. 多重ゼーター関数, 数論幾何学, 代数的整数論, 解析的整数論, 数学史 に関する素晴らしい講演が行われ, 若い大学院生を含めて多くの出席者があった. 各講演について活発な質疑応答があり, 整数論の研究者と有意義な意見交換ができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
p,q,rをp+q=r^2を満たす正の整数とする. 指数型不定方程式(pm^2+1)^x+(qm^2-1)^y=(rm)^z (1)は, ただ一つの正の整数解(x,y,z)=(1,1,2)を持つという予想について, いくつかの条件の下で正しいことを多くの場合に確かめた. まず, x,y,zの偶奇性に関して, xは奇数, yは奇数, zは偶数と初等的方法で示すことができた. mが偶数の場合は(*)が合同式で自明な解しか持たないことを簡単に導けるが, mが奇数の場合は(*)をPillai方程式に帰着し, Baker理論やMagmaによる連分数分解法を用いて解ける場合が多い. 他に, 2次体や2次不定方程式に関するYuanの定理, Lucas数列に関するZsigmondyの定理, BHV定理を用いて, p,q,rがいろいろな値のときに(1)の正の整数解 x,y,z を決定したい.
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Strategy for Future Research Activity |
指数型不定方程式論における有名な未解決問題であるJesmanowicz予想の類似問題として, 指数型不定方程式 (m^2+n^2)^x+(2mn)^y=(m+n)^z と (m-n)^x+(2mn)^y=(m^2+n^2)^zの整数解を研究したい. これらの方程式は合同式やJacobi記号の巧妙な計算により, まずPillai方程式に帰着できる. 次に, 2つの対数のlinear formの絶対値に対するLaurentによる下からの評価(Baker理論)を用いて, いくつかの条件の下でこのPillai方程式を解く. 指数型不定方程式の整数解の数値実験による予想, ある制限された範囲での整整数解の決定において, 整数論計算ソフトMagmaを大いに活用する.
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