2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K03256
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山川 大亮 東京理科大学, 理学部第一部数学科, 講師 (20595847)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | モノドロミー・ストークスデータ / ストークス表現 / マンフォード安定性 / モノドロミー保存変形 / ハミルトニアン |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 当初の研究計画で想定していた状況を更に一般化して、コンパクトリーマン面上の有理型接続(=有理型関数を係数とする線形常微分方程式)の構造群が複素簡約代数群をファイバーとする群の局所系になっている状況を考察した。ただしその局所系が有限なモノドロミー群をもつと仮定した。この場合に、野性的指標多様体の構成要素であるモノドロミー・ストークスデータのマンフォード安定性と、対応するストークス表現の既約性が同値であることを示した。この同値はこれまで構造群の局所系が自明で有理型接続の特異点が「不分岐」と呼ばれる条件を満たす場合にしか示されておらず、それを大幅に拡張したことになる。マンフォード安定なモノドロミー・ストークスデータは野性的指標多様体の点として高々有限群による商特異点を与えるため、野性的指標多様体の構造を理解する上で重要な対象である。これによって野性的指標多様体の理解がより深まった。 (2) リーマン球面上の有理型接続のモノドロミー・ストークスデータを保つ連続変形(モノドロミー保存変形)について、構造群の局所系が自明で特異点が不分岐な場合に相空間(時間パラメータの空間上のシンプレクティックファイバー束として与えられる)の自明化を構成し、これを用いてモノドロミー保存変形のハミルトニアンを具体的に計算した。これによって構造群が一般の複素簡約代数群の場合のモノドロミー保存変形のハミルトン力学的描像の理解が更に進んだ。なおこの成果については既に論文にまとめ現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の設定をより一般化した状況で1番目の研究目標を達成したのみならず、モノドロミー保存変形の相空間およびハミルトニアンに関する成果も得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回のマンフォード安定性に関する成果を研究協力者と情報共有し、次の目標であったモノドロミー・ストークスデータの多重安定性と対応する有理型接続の微分ガロア群の線形簡約性の関係について考察を行う。同時に様々な具体例を計算することで野性的指標多様体の理解を深めていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は極めて少額であり、使用計画に変更はない。
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Research Products
(2 results)