2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K03256
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山川 大亮 東京理科大学, 理学部第一部数学科, 講師 (20595847)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | モノドロミー・ストークスデータ / ストークス局所系 / 次数付き局所系 / 多重安定 / 微分ガロア群 / 線形簡約 / 野性的指標多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究協力者であるPhilip Boalch氏との共同研究を再開し,野性的指標多様体がパラメータ付けているコンパクトリーマン面上のモノドロミー・ストークスデータの多重安定性と,リーマン・ヒルベルト・バーコフ対応によってモノドロミー・ストークスデータと対応する有理型接続(有理型関数を係数とする線形常微分方程式)の微分ガロア群の線形簡約性の関係について,2019年度に得られた研究成果(これについては2019年度の研究実績報告書において報告済みである)の整理・補強を行った.具体的には以下の通りである. モノドロミー・ストークスデータは,コンパクトリーマン面をいくつかの点で実有向ブローアップし,更にいくつかの点で穴を開けて得られる,境界付き実有向曲面上の局所系(ストークス局所系)とみなすことができる.更にストークス局所系をある開集合上に制限すると,それにはある複素トーラスをファイバーとする代数群の局所系が作用している.そこで一般に,そのような複素トーラスの局所系による作用を備えた局所系を次数付き局所系と名付け,その簡約性および既約性に関する理論を構築することで,ストークス局所系と微分ガロア群に関する議論をより明快にした.なお次数付き局所系としては構造群が複素簡約群の局所系であるようなものも認めており,その結果構造群の取り替えに関して新しい発見も得られた. 以上の結果を研究協力者と共に論文にまとめ,プレプリントとして公開した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力者との共同研究を再開することになり,微分ガロア群に関する研究成果を論文にまとめることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度執筆したプレプリントを論文として学術雑誌に投稿する.また研究協力者のPhilip Boalch氏と共に,構造群が一般線形群の場合にフィルター付きストークス局所系,放物有理型接続および放物ヒッグス束に関する非アーベルホッジ理論を整備する.
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Causes of Carryover |
COVID-19により研究協力者との共同研究の再開が遅れたことにより次年度使用額が生じた.今後は論文投稿や研究打合せ,学会発表に使用していく.
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Research Products
(3 results)