2023 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical foundations on wild character varieties
Project/Area Number |
18K03256
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山川 大亮 東京理科大学, 理学部第一部数学科, 准教授 (20595847)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 野性的指標多様体 / 有理型接続 / クイバー概型 / 微分ガロア群 / モノドロミー・ストークスデータ / モノドロミー保存変形 / 量子化 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では研究協力者の寺田涼氏と共に、Hausel-Wong-Wyssによって導入されたクイバー概型を考察し、そのワイル群対称性を構成した。このワイル群対称性は特別な場合に一部の野性的指標多様体の対称性と関係している。また2024年3月に研究協力者の伊藤要平氏(東京理科大学)、稲場道明氏(京都大学)、廣惠一希氏(千葉大学)と共に、東京理科大学において研究集会「パンルヴェ方程式の幾何学とその周辺」を開催し、関連分野の研究者と情報交換を行った。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果は主に以下の通りである。 (1) コンパクトリーマン面上の有理型接続(=有理型関数を係数とする線形常微分方程式)の微分ガロア群の線形簡約性と、リーマン・ヒルベルト・バーコフ対応の下でその接続に対応するモノドロミー・ストークスデータのマンフォード多重安定性が同値であることを示した。多重安定なモノドロミー・ストークスデータは野性的指標多様体の点と1対1に対応するため、これによって野性的指標多様体の理解がより深まった。 (2) アフィン直線上の野性的指標多様体の次元を研究協力者のPhilip Boalch氏と共に観察し、それがある格子上の2次形式によって記述され、更にその2次形式が種々の重要な例においてカッツ・ムーディ代数のカルタン行列が定める2次形式と関係していることを発見した。 (3) リーマン球面において無限遠点でポアンカレ階数2以下の不分岐不確定特異点をもち、他でたかだか確定特異点をもつ有理型接続のモノドロミー保存変形を記述する非自励ハミルトン系について、無限遠における先頭係数の固有値以外の変形パラメータに関するハミルトニアンの量子化を構成した。
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Research Products
(3 results)