2019 Fiscal Year Research-status Report
Schubert calculus in quantum K theory
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18K03261
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
池田 岳 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40309539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 朝雄 岡山理科大学, 理学部, 講師 (80755223)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グラスマン多様体 / 量子K理論 / シューベルト・カルキュラス / Grothendieck 多項式 / K-Peterson 同型 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラスマン多様体の量子K理論において,シューベルト・カルキュラスを展開するという課題に対して,特殊多項式によるアプローチを進めている.研究分担者の松村朝雄氏と Dang Hiep 氏との共同研究によって,対称多項式環から量子K環への全射準同型が存在すること,およびその写像により Grothendieck 多項式がシューベルト基底に対応することを予想している.この予想を元に,シューベルト構造定数を決定するアルゴリズムを得ることがこのプロジェクトの最終目標である.写像の存在はまだ確立していないが,写像の候補の核の生成元がいくつか見つかっている.核の生成元はフックの除去という記述を持つが, K 理論的な補正が入っていて,興味深い.この予想を示すことができて,同型が確立したとしても,構造定数の決定のアルゴリズムを得るにはさらに詳しい核の記述が必要である.途中経過を京都大学数理解析研究所の国際集会で発表した. Anderson, Jeon, Kawago と共同で,古典型旗多様体のシューベルト多様体の特異性について研究を続けている.旗多様体の Vexillary 置換に対応するシューベルト多様体の点のヒルベルト・サミュエル重複度を励起されたヤング図形の個数として表すというのが予想である. FPSAC 2019 で発表した,シンプレクティック型のみならず,直交型の旗多様体についても予想を定式化することができた.重複度に関する予想が証明できたと考えたが,その証明には誤りがあることがわかった.新しいアイデアに基づいて証明の細部をチェック中である. K-Peterson 同型に基づく量子 K環の探求については,量子 K理論の新しい積公式が見いだせる可能性がある.非自明な自己同型が重要な役割を果たすことをすでに見出している.アフィン側のピエリ公式を量子側に移植する研究を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
グラスマン多様体の量子K理論については,予想は固まってきてはいるものの,証明を完成させるための策が見つかっていない. K-Peterson 同型に関する研究は,研究に割ける時間が足りず,遅れていた.
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Strategy for Future Research Activity |
発表が遅れているいくつかの結果,すなわちGP 関数の研究,シンプレクティック群のアフィン・グラスマン多様体のホモロジー環, Factorial Q-関数の明示公式,などを論文にまとめて発表する. グラスマン多様体の量子 K環については共同研究者との連携を密にしてさらに推し進め,更にラグランジアン・グラスマン多様体についても研究を軌道に乗せる. K-Peterson 同型については,さらに時間をかけて調べ,そこから量子 K環の側の新しい知見を引き出す.
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Causes of Carryover |
海外出張が可能な状況になれば,オハイオ州立大学,ヴァージニア工科大学を訪問することなどに用いる.
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