2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K03262
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
佐藤 拓 福岡大学, 理学部, 教授 (20433310)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | トーリック多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題に直接関係する結果(1)と、その周辺の結果(2)に分けて記述する。 (1)非特異トーリック弱ファノ多様体をファノに変形する問題に関しては大きな進展は見られなかったが、本年度については、4次元までの理論の細部のブラッシュアップを行なった。結果として、special なクレパント収縮写像がどのように非特異トーリック弱ファノ多様体の構造を限定するかについての理解が深まったように思う。4次元の場合、非特異トーリック弱デルペッツォ曲面の分類が完成されていることが重要であったが、詳細な分類までは行かないまでも、高次元においてもある程度構造を決定出来ることが期待される。次年度以降の課題である。 (2)非特異トーリック・ファノ多様体であって、その第二チャーン指標が正または非負であるようなものの研究を引き続き行なった。そのようなトーリック・ファノ多様体をリストアップ出来ることが望ましいが、前年度までは7次元以下についてコンピューターを用いた計算を行い、7次元以下の非特異トーリック・ファノ多様体で第二チャーン指標が正であるようなものは射影空間だけであることが判明していた。本年度はこの結果を更に高次元化することを目指した。結果として、アルゴリズムを改善することにより、8次元に対しても計算可能となった。結果はそれまでの予想を覆すものではなく、8次元についても射影空間に限ることが示された。次年度以降については、アルゴリズムの専門家との連絡もとって理論の進化を促し、更に高次元の場合に対しても同様の計算を行う予定である。また、非特異トーリック・ファノ多様体のトーラス不変な部分曲面のピカール数は最大で7であるが、8次元までの計算の結果、ピカール数7の部分曲面を含むような非特異トーリック・ファノ多様体は発見されていないので、そのような非特異トーリック・ファノ多様体を構成することも考えたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究集会の開催、国内外の研究集会へ参加しての情報収集、及び周辺分野の研究者との研究打合せ等を多数予定していたが、非常事態宣言が出される等、コロナの感染状況が悪化しているため、それらの計画は全て中止となってしまった。更に研究以外での業務に関しても例年と違うことを多数要求され、研究にかかる時間を十分確保出来たとは言い難く、研究の進捗状況は芳しくないと言わざるを得ない。
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナの感染状況は改善する兆しを見せていないが、遠隔講義等で身につけたスキルを活かして、遠隔で研究打合せや研究集会を行うことなども視野に入れて研究を行いたい。また、コンピューターを用いた研究も積極的に行う姿勢であり、その方面の専門家との研究打合せ等も行いたい。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍のため、予定していた国内外の出張が全てキャンセルとなったため、次年度に大きく繰り越すことになった。次年度はコンピューターを使用しての研究等を補助的に導入するなど、今までとは違った形式での研究手法も積極的に取り入れて研究の遅れを取り戻したい。
|
Research Products
(3 results)