2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K03262
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
佐藤 拓 福岡大学, 理学部, 教授 (20433310)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トーリック多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)滑らかな4次元トーリック弱ファノ多様体であって、ファノ多様体に変形可能であるものの分類を完成させるため、滑らかな4次元トーリック弱ファノ多様体を解析することを始めた。そのような多様体を得るには、既に分類されている膨大な数の4次元ゴーレンシュタイン・トーリック・ファノ多様体をクレパント特異点解消する必要があるが、コンピュータを用いた計算も視野に入れて研究中である。 (2)滑らかなトーリック・ファノ多様体であって第二チャーン指標が正であるようなものは射影空間に限るか、という問題を引き続き考えている。今年度の研究では、局所的にバンドル構造を有するかどうかで場合分けをし、問題の解決を試みたが、未だ解決には至っていない。基本的に、射影空間に限ることを示す方向で考察してきたが、反例がある可能性も考える必要があるかもしれない。 (3)(2)の状況を鑑み、射影空間では無い高次元の滑らかなトーリック・ファノ多様体で、その第二チャーン指標が正となるような多様体の構成を目指した。(2)の反例の発見を目指すものであるが、発見出来ずとも第二チャーン指標が正という条件の理解につながるはずである。ここで対象としたのは高次元の射影空間の何点かでのブロー・アップである。2点以上にするともはやファノ多様体では無くなってしまう、すなわち反標準因子は豊富では無くなってしまうが、反フリップという操作を有限回行うことにより、ファノ多様体に近づけることが可能である。完全な構成には至っていないが、比較的次元が低い場合には明白に構成可能で、高次元化も十分実行可能であると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に引き続き、コロナ禍による影響が大きい。研究集会やセミナーは皆無であるのに加え、遠隔での研究打ち合わせ等には限界を感じている。感染状況は良くなって来ているように思えるので、次年度については、研究打ち合わせ等を積極的に対面で行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
いずれの研究の方向についても、コンピュータを用いた状況把握が必須であると考えている。専門家との研究打ち合わせを通してスキルを手に入れたい。研究実績の概要でも述べているが、今までとは逆の方向に研究をシフトすることを考えている。
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Causes of Carryover |
前年度と同様に、コロナ禍で出張がほとんど出来なかったため、次年度使用額が発生した。感染状況は良くなっていると思われるので、次年度は積極的に研究打合せ等に赴き、研究状況の飛躍を狙いたい。
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Research Products
(2 results)