2023 Fiscal Year Research-status Report
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18K03262
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
佐藤 拓 福岡大学, 理学部, 教授 (20433310)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | トーリック多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)以前構成した非特異完備トーリック多様体からなる変形族の再考察を行なった。複素射影直線上の複素解析族であるが、当時必要とされた完備トーリック多様体はゼロ上のファイバーのみであったため、もう一方の無限遠点上のファイバーについては詳細を明らかにすることを行っていなかった。未だ研究途中であるが、引き続き構造を解明することを目指すとともに、これを機に更なる変形族を構成することも視野にいれて研究を行う予定である。また、トーリック多様体の変形理論一般の再考察も行なった。これに関する研究は複数存在するが、今まで利用していなかった結果が本研究にも影響を与えそうであることを確認している。 (2)射影空間のトーラス不変点でのブロー・アップの反フリップの研究を引き続き行なった。この分類結果そのもの自体興味深いものであったが、このようなトーリック・ファノ多様体は対称性を持つため、複素幾何学的な研究も考察した。これに関連して、複素幾何的に有用なトーリック・ファノ多様体の構成も行なった。未だ成功には至っていないが、これについても引き続き考えていきたい。 (3)トーリック多様体上のフォリエーションを考察し、端射線の長さに関する結果を得た。フォリエーション無しで行なった過去の研究の応用・発展と言える。トーリック多様体故フォリエーションの記述が容易であったことがこの結果を得ることが出来た理由の一つであるが、これを機に一般の場合についても研究を行っていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のために研究は停滞気味であったが、出張等がし易い状況になったため、研究のペースは上がりつつある。共同研究者との議論も活発に行うことが出来ており、研究の幅も広がっている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き出張等を行って、共同研究者との議論を活発に行う予定である。本研究課題と関連して、複素幾何学や計算機代数等の周辺分野の知識が必要になってきているので、専門家の意見を伺いに行くようなことも考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で出張等が出来なかったため、昨年度に引き続き次年度使用額が生じている。残額については主に出張等に利用し、研究の総仕上げを行いたいと思っている。
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Research Products
(2 results)