2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K03263
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
坂内 真三 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 准教授 (20732556)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 平面曲線の埋め込み位相 / 平面曲線配置 / Zariski tuple / 分解曲線 / 楕円曲線 / 楕円曲面 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は次の論文3本を出版した.[1] "The matroid structure of vectors of the Mordell-Weil lattice and the topology of plane quartics and bitangent lines" (佐藤隆太郎氏と共著), [2] "Zariski tuples for a smooth cubic and its tangent lines" (徳永浩雄氏と共著), [3] "Two-graphs and the embedded topology of smooth quartics and its bitangent lines" (大野桃果氏(旧姓山本)と共著). また, 次のプレプリントを執筆した, "Tosrion divisors of plane curves and Zariski pairs" (E. Artal Barolo氏, 徳永浩雄氏, 白根竹人氏と共著, arXiv:1910.06490). さらに, プレプリント1本をE.Artal Bartolo氏, 徳永浩雄氏, 白根竹人氏と共同で執筆中である. また, これらの論文についての成果を中心に, 国内会議にて3件, 国際会議にて1件の口頭発表を行なった. 9月には, フランスのPau大学にてV. Florance氏のもとを訪れ, 同地で開催された研究集会"Geometries in Pyrenees"に参加し, 研究発表を行なった. それに引き続き, スペインのZaragoza大学にてE. Artal Bartolo氏, J.I. Cogolludo氏のもとを訪れ研究打ち合わせを行なった. さらに, 12月に神奈川工科大で開催された"第17回代数曲線論シンポジウム"と, 日本文理大学にて開催された"湯布院代数幾何学ワークショップ"でも公演を行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の研究は概ね順調に進展していると以下の理由で判断した. 研究実績の概要でも述べた通りに, 論文を3本出版し, プレプリントを1本投稿し, さらに1本の論文を執筆中である. また, フランスのPau大学での国際研究集会でも研究発表を行うなどの研究発表の活動もできており, 業績は順調に伸びていると言える. 研究内容について, 2018年度に訪問したZaragoza大学のE. Artal Batolo氏や東京都立大学の徳永浩雄氏, 白根竹人氏と共に, 代数曲線のPicard群を用いた埋め込み位相の区別の手法を整備し始め, Mordell-Weil格子に変わる, より幅広い枠組みにおいて研究を行う見通しがつき始めた. また, これにより, より位相的な手法との繋がりも見えてき始めたので, 中・長期的な目標であった, より一般的な枠組みでの結果を得ることに向けての一歩目が踏み出せたと言える. 年度末にかけて新型コロナウィルスの影響で様々な研究集会・セミナーが中止・延期され, 研究打ち合わせや情報収集に一部支障をきたしているが, オンライン会議システム等を使っての研究活動を行う目処もつき始めているので, 大きな障害となることはないと思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては, まず執筆中である論文を書き上げることを目標とする. 次に, この論文により2次以上の巡回被覆を用いた議論がある程度で整備されたので, この論文の手法を用いてさらなる具体例を積み増すことを目指す. 一方で, 2019年度に出版したtwo-graphの言葉を用いてZariski対を判別する手法では見分けられない例が見出された. この例をさらに詳細に調べることで, 4次曲線とその2重接線からなる曲線配置のZariski多重対の個数を決定することも目指す. コロナウィルスにより対面での研究活動に制限が出ることが予想されるが, オンライン会議システムを使用したり, その補助のためのIT機器を購入して, 対面以外の研究活動に重点において研究を進めていく.
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの影響により出席予定であった研究集会や研究打ち合わせが延期になった. 今後状況が改善し次第, 延期された研究集会へ参加し, 研究打ち合わせを執り行う予定である.
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Research Products
(7 results)