2023 Fiscal Year Annual Research Report
Essential selfadjointness of the Laplacian of Riemannian manifolds and Lioville property
Project/Area Number |
18K03290
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
正宗 淳 東北大学, 理学研究科, 教授 (50706538)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ラプラシアン / 本質的自己共役性 / グラフ / リュービル性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,重みつき無限グラフのラプラシアンに関する研究を進めた.特に,ラプラシアン(および,シュレディンガー作用素)の本質的自己共役性の問題,また,これらに関連する問題としてL^2リュービル性の研究を進めた.以上の問題に対しては,一般のグラフの場合に先行研究があるので,本研究ではグラフを(ある意味で)単純な場合(整数の集合とそれから得られる「星型グラフ」)に制限して,精密な結果を得ることを目標にした.具体的には(1)本質的自己共役性の安定性(2)ハンバーガの定理の別証明(3)無限遠の容量を用いた本質的自己共役性の新しい特徴づけ,が中心的な課題である.次にこれらについて得られた成果を述べる.(1)について「グラフを二つのグラフに分解して,分解する際に現れる断面(もしくは境界)がある幾何学的条件を満足するとき,分解する前のグラフで定義されたラプラシアンが本質的自己共役であることの必要十分条件は,分解されたそれぞれのグラフのラプラシアンが本質的自己共役である」ことを示した.ここで得られた幾何学的条件は最良の結果ではないが,確かめやすいという利点がある.また,この結果は一般の重みつき無限グラフに対して得られた.(2)では,この研究領域における最も重要な結果の一つであるハンバーガの定理の別証明を与えた.とりわけ(1)の結果を用いることで,見通しが良い単純な証明を得た.(3)については,(2)の結果を応用することで,無限遠の容量による新しい特徴づけを得た.これと似たような先行研究がないため,証明手法も新しく編み出した.以上の結果は,A. Inoue氏,R. Wojciechowski氏との共同研究により得られ,現在投稿中である.
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