2020 Fiscal Year Research-status Report
geometric analysis of geometric flows
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18K03291
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石田 政司 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50349023)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リッチフロー / B場繰り込み群流 / 一般化された幾何学 / 一般化されたリッチフロー / ヤングミルズフロー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、Generalized Ricci Flow(または、B場繰り込み群流とも呼ばれる)に対するReduced Volumeの理論に関する研究を行った。Generalized Ricci Flowは、HitchinによるGeneralized Geometryの枠組みにおけるRicci Flowに対応するものと考えられており、通常のリーマン幾何学における対応物がこれまで研究してきたB場繰り込み群流となっている。PerelmanによるRicci Flowに対するReduced Volumeの理論のその最も基礎的な部分を、B場繰り込み群流に対して筆者は拡張しており、それをGeneralized Reduced Volume(以下、GRV)の理論と呼ぶことにする。GRVには、ForwardとBackwardの2種類が存在しRicci Flowの場合と類似した部分もあるが、異なった性質も持つことが判明している。本年度の研究成果は以下のように要約される。(1) Forward GRVがフローに沿って一定であるとき、そのフローは Expanding Gradient Generalized Ricci Solitonでなければならないことを示した。これは通常のリーマン幾何学におけるRicci Flowの場合に知られていた結果の、Generalized Ricci Flowにおける対応物と考えられる。(2) GRVはL-lengthと呼ばれるある種の距離の概念を新しく導入することによって定義されるが、それはB場繰り込み群流を介した通常のリーマン幾何学の言葉で記述されていた。Generalized Geometryにおけるその定義の意味はこれまで筆者には不明瞭であったが、実際にGeneralized Geometryの視点からの解釈が可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Forward GRVとExpanding Gradient Generalized Ricci Solitonが関係しているであろうことは以前から予想していたが実際に示すことができた。また、GRVの理論の根底にあるL-lengthの定義に対してGeneralized Geometryの視点からの解釈が得られたこともあり、これらの研究成果は、筆者が導入したGRVの理論がGeneralized Geometryにおいても自然な対象であることの一端を示していると考えられ、研究の広がりを示唆するものである。
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Strategy for Future Research Activity |
Generalized Ricci Flowに対するBackward GRVの理論はForward GRVの理論と類似しているとは言え、異なった性質を持つことが判明している。Perelmanによって展開されたRicci Flowに対するReduced Volumeの理論の場合とはこの点が大きく異なっている。応用上きわめて重要と考えられるBackward GRVの理論の整備に注力することで、研究をさらに推進していく。また、Generalized Kahler GeomtryにおけるKahler Ricci Flowと考えられているGeneralized Kahler-Ricci Flowに対するGRVの理論の役割とその応用についても今後研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
国内出張および海外出張の機会が大幅に減少したため、旅費として支出する予定で確保していた費用を使用することができなかった。今後は研究推進に必要な書籍やPCなどの物品購入に使用する予定である。また今後の社会情勢を考慮した上で、国内出張および海外出張が可能になれば、その旅費として使用する予定である。
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