2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K03292
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石井 敦 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (00531451)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 結び目理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度に実施した研究の成果は、ハンドル体結び目の基本多重共役カンドルの表示に関する基礎理論を完成させたことです。多重共役カンドルの圏における自由対象である自由多重共役カンドルと多重共役カンドル同値の概念を定義し、商の概念を導入することで、多重共役カンドルの表示を定義することができます。商の概念を定義するところに難しさがあり、単に同値類を取っただけでは、多重共役カンドルの構造を持ちません。単位元を共有する群成分に“融合積”を施し、語の形式的な積を許す閉包を取ることで商の概念を定義することができました。また、multiple group rack と空間曲面に関する論文を発表しました。この論文では、multiple group rack を導入し、これを用いることで空間曲面の不変量が得られることを示しました。空間曲面は framed ハンドル体結び目とみなすことができる位相的対象です。このような研究成果を得るためには、科学研究費補助金を用いて、研究会議で研究者から情報取集を行うことが重要でした。特に、本研究に関連した研究会議として「ハンドル体結び目とその周辺13」が11月にオンラインで開催されました。この研究会議では、Naoki Sakata 氏による閉三次元多様体のハンドル体による分解と安定化についての研究、Hiroaki Kurihara 氏による3次元球面内の曲面の不変量についての研究、Makoto Ozawa 氏によるハンドル体結び目の Morse position についての研究がありました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスが猛威を振るっており、出張計画に遅れがある。
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Strategy for Future Research Activity |
多重共役カンドルに対しても列関係式の理論を構築し、より本質的な量を取り出せるハンドル体結び目の不変量を定義します。研究を効率よく進めるために関連する研究会議やセミナーなどに参加し情報収集を行います。また研究成果の発表を通して、研究成果に対するフィードバックを得ることで、研究成果をさらに洗練させます。これらに加えて、研究会議「ハンドル体結び目とその周辺14」を開催します。研究会議の開催によって人的交流を促進し研究者同士の活発な議論を引き起こすことで、深みのある研究を加速させます。
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Causes of Carryover |
理由:出張日程の延期のため 使用計画:旅費またはオンライン会議の費用として使用する予定である。
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