2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K03296
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
平澤 美可三 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00337908)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 結び目 / ザイフェルト曲面 / 結び目不変量 / 強対合の対称性 / 2橋結び目 / 村杉和 |
Outline of Annual Research Achievements |
2橋結び目は強可逆結び目であり,強対合の対称性がある.そこで,その対称性で保たれるザイフェルト曲面の最小種数を考えることは自然な問題である.その条件の元では,一般に制限なしの種数よりも大きくなることが知られている.強対合の軸を固定すると,結び目との交わりにより二本のアークに別れる.一つのアークにおいては日浦涼太 氏の先行研究により不変種数が決定できていたが,もう一方のアークについては,曲面が複雑になり特殊なケースを除いて不変種数が決定できていなかった.残されたケースについて,日浦 氏および作間誠 氏との共同研究を開始した.これにより,更に新しい不変なザイフェルト曲面が見つかり,ある条件を満たすものについては最小性が証明できた.証明ができずに残ったケースについては,更に種数の低い不変曲面を見出すことに成功した. ミシガン州立大学のA. Jared 氏と,ザイフェルト曲面の村杉和,および村杉分解における振る舞いの共同研究を開始した.任意の結び目3つに対し,その一つを他の二つの村杉和として表すことのできるザイフェルト曲面の構成法はすでに確立済みであったが,今回はその時の村杉和を行う貼り合せ多角形のサイズに関する考察を行なっている.これまでの抽象的な構成ではサイズを無制限に大きくしていたが,この点の改善をおこなった.それを通じて,単にザイフェルト曲面を見つけるだけでなく,より低いサイズで行うための様々な手法を開発し,そのサイズの上からと下からの評価を見出すことに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍において,出張を全てキャンセルせざるを得ず,予定していた対面を必要とする議論が遅延している.
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Strategy for Future Research Activity |
結び目の張るザイフェルト曲面と結び目不変量について,研究計画に基づいて研究を推進する.ザイフェルト曲面とアレクサンダー多項式の零点に関する研究について,トロント大学の村杉氏との共同研究の成果をまとめた論文を完成する.さらに曲面の変形と零点の配置移動について分析を続ける.2橋結び目の強対合で不変なザイフェルト曲面の最小種数の決定について,遠隔セミナーを続け,この問題の完全解決を目指す.結び目のザイフェルト曲面を通じた村杉和表現の問題も,ミシガン州立大学のA.ジャレド氏との共同研究を続け,結び目全体の成す空間に関する新たな構造解析の概念を築く.ファイバー曲面の村杉和におけるL.ルドルフ不変量の振る舞いについてクラーク大学のL.ルドルフ氏との議論を進め,ファイバーの捻り操作についてはジュネーブ大学のQ.ホングラー氏と議論を進める.
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Causes of Carryover |
コロナ禍下において,全ての出張がキャンセルされたたため旅費の執行が停止し予算執行が遅れている.状況が許せば,研究打合せのための渡航を再開する.
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Research Products
(4 results)