2023 Fiscal Year Annual Research Report
Forms of surfaces spanned by a knot and behaviors of invariants
Project/Area Number |
18K03296
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
平澤 美可三 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00337908)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 結び目 / 絡み目不変量 / 多項式不変量 / ファイバー曲面 / アレクサンダー多項式 / 零点の分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
結び目のアレクサンダー多項式の零点の分布に関する共同研究をトロント大学の村杉邦男氏と進めた。零点が複素平面内の単位円周および実軸上に配置される bi-stable と呼ばれる性質に注目し、特に、Salem性と呼ばれる、円周上の根の他には実根が2点となる状況を扱った。Salem多項式は数論では整数係数多項式のマーラー測度の最小値問題として重要であり、予想を実現する多項式は結び目のアレクサンダー多項式になっている。既に2橋結び目の中には、明らかなファミリーの他には離散的な物が極めれ限られていることを考察しているが、一方で成分数を増やして2橋絡み目で考えると、離散的な物が数多く見つかり、更にファミリーをなす物も数種類見つかった。また、A’Campoによって特異点結び目の拡張として導入された divide 結び目の中にも、ファイバー曲面を通じて興味深いSalem多項式のファミリーを見出している。本研究では、係数列の中に等差数列が部分的に現れる多項式に注目するという新しい視点に基づき、アレクサンダー多項式の範疇を超えてSalem性を精査すべき興味深い多項式が得られ、さまざまな定理が得られた。 Benjamin Bode 氏と結び目補空間のファイブレーションの構造に関する共同研究を行なった。特に、ファイバー曲面の動きを具体的に視覚化するため、均質的組紐で表されるファイバー絡み目に注目し、鞍点の軌跡がなす組紐が自明組紐になる様に配置できる事を、実際に視覚化することで示した。その際に、組紐補空間のファイブレーションの視覚化として、これまでにない新しい手法を開発し、一つの図式の上に時間遷移が読み取れる描画を行なった。これにより、ファイバー絡み目の不変量であるルドルフ不変量の振る舞いをより深く理解する手がかりが得られた。
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Research Products
(10 results)