2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K03298
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横田 巧 東北大学, 理学研究科, 准教授 (70583855)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 測度距離空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度から行なっていた小澤龍ノ介氏(東北大学AIMR)との共同研究で、測度距離空間と呼ばれる完備可分距離空間とその上のボレル確率測度からなる3つ組の幾何学、特に Gromov が測度距離空間全体の空間に導入したオブザーバブル距離とリプシッツ順序、ピラミッドと呼ばれる測度距離空間からなる集合の幾何学について研究した。オブザーバブル距離の定義は測度集中現象と呼ばれる現象に由来し、2つの空間上のリプシッツ関数を比較して定義される。オブザーバブル距離に関する測度距離空間の列の収束を集中と呼ぶ。測度距離空間の列の集中と、それらの空間に付随するピラミッドの列の収束が同値であることが知られている。 距離関数に適当な関数を合成して距離空間を変形することを metric transformation と呼ぶ。そこで,集中する測度距離空間の列に対し、単調非減少な連続関数による metric transformation が集中することを証明し、また、ピラミッドの収束列に対しても metric transformation を定義し、それが収束することを証明した。これにより、測度距離空間の列の集中とピラミッドの収束列の新しい例が得られた。 また、Ambrosio-Gigli-Savare が導入した Polish extended measure space と呼ばれる、完備距離化可能で可分な位相空間上の距離とボレル確率測度からなる4つ組に対して測度距離空間の理論を拡張し、ピラミッドとの関係を調べた。特に、任意のピラミッドはある Polish extended measure space に付随するピラミッドであることを証明した。そのような空間は、そのピラミッドを近似する測度距離空間のリプシッツ順序に関する増大列の射影極限として構成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
測度距離空間からなる集合であるピラミッドについて新しい結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、主に測度距離空間の収束・集中など、(測度)距離空間の幾何学について研究していく。
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Causes of Carryover |
学会の中止などにより出張を取り止めたため次年度使用額が生じた。来年度は計画的に使用する。
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