2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K03300
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 昌昭 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (80192821)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | フラクタル幾何学 / 研究支援 / ソフトウェア |
Outline of Annual Research Achievements |
Fractal Gazer開発環境整備が遅れたため全体的に若干遅れが出ているがFractal Gazerのプロトタイプ作成のための準備が着々と進んでいる. まずCPUにおける計算の高速化のため,2次元ベクトル,3次元ベクトルとカラーを扱うためのC++クラスをsimdフレームワークを用いたものに書き直した.また,それを用いて従来用いていたグラフィックスライブラリを全面的に書き直した.これについては実装とテストが終了している.また,CPU計算を並列化するためにDispatchライブラリを用いたテストプログラムを作成し,その評価も済んでいる.並列化による高速化の効果は非常に大きく,フラクタル関連の計算が最大で30倍近く高速化できている.グラフィックスライブラリと関連して,描かれたフラクタル画像を画像ファイルとして保存することも必要となるが,そのためのラスター画像処理ライブラリも合わせてアップデートした. GPUにおける並列計算は,Apple MacコンピュータにおいてはMetalフレームワークを用いて実装することになる.頂点シェーダやフラグメントシェーダを効率よく作成し,高速に実行させるためにも,上で述べたsimdフレームワークを用いたベクトルクラスが役に立つ.現在は,Metalフレームワークを用いたテストプログラムを作成して各種アルゴリズムを評価しているところである.これが終了すれば,全体を統合してユーザインタフェイスを追加することによりFractal Gazerのプロトタイプが完成する予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プログラム開発に必要な最新型GPUを用いたパソコンを購入するために前倒し申請が必要となり,研究開始が遅れたため.
|
Strategy for Future Research Activity |
若干の遅れがあるものの研究自体は着実に進んでいる.2年目にはFractal Gazerのプロトタイプを完成させ,ネットを通じて一般無料公開する.また,研究集会等を通じてFractal Gazerをフラクタル幾何学や反復関数系の研究者に広く知ってもらい,改良や追加機能の要望を聞いて,可能なものから順に対応してFractal Gazerをアップデートしてゆきたいと考えている.
|