2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K03300
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 昌昭 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (80192821)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フラクタル幾何学 / 研究支援 / ソフトウェア |
Outline of Annual Research Achievements |
Fractal Gazerの初期バージョンがほぼ完成しテストを開始している。近々公開予定である。最初の予定では極限集合とそれに関連した極小不変円板やコードのみを可視化して公開するつもりであったが、フラクタル幾何学の有用なツールとするためにはパラメータ空間の描画が是非とも必要という考えに至り、公開を遅らせても先にパラメータ空間の可視化を実装することとした。 技術的には、Apple MacコンピュータにおけるMetalフレームワークによってミップマップテクスチャ処理を行い、頂点シェーダやフラグメントシェーダを用いたGPUによる超高速並列計算によって極限集合を描画している。その結果、16384ピクセル4方のテクスチャへの極限集合の描画が数分の1秒でできて極限集合の変化を直感的に可視化することに成功した。また、パラメータ空間の描画に関してはより複雑なアルゴリズムが必要でGPUによる計算の高速化は望めないが、こちらはDispatchライブラリを用いたCPUの並列計算によって高速化を図っている。とくに、プログラム開発用に購入した最新型パソコンにおける高速描画性能は素晴らしく、プログラム開発の効率化に非常に役立っている。 プログラム開発との関連は若干薄いが、射影ハウスドルフ測度を定義し、その基本的な性質を調べたものを研究集会「Research on the Theory of Random Dynamical Systems and Fractal Geometry」(2019.8.29-9.2、京都大学)および「Topology and Computer 2019」(2019.10.18-20、大阪市立大学)において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フラクタル幾何学の有用なツールとするためにパラメータ空間の描画機能を先に実装することとしたため、プログラムの公開が遅れているが、プログラム開発そのものは当初予定通りに問題なく進んでおり、近々公開予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
プログラムのテストが終了次第Fractal Gazerを公開し、フラクタル幾何学や反復関数系の研究者に提供する。改良や追加機能の要望を聞いて,可能なものから順に対応してFractal Gazerをアップデートしてゆきたいと考えている.
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Causes of Carryover |
当初Fractal Gazerを広く知ってもらうために研究集会を開催する予定であったが、公開を遅らせて先に機能充実を図ることとしたため、研究集会を次年度開催することとした。
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