2020 Fiscal Year Research-status Report
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18K03300
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 昌昭 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (80192821)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フラクタル幾何学 / 研究支援 / ソフトウェア |
Outline of Annual Research Achievements |
Fractal GazerをMac App Storeを通じて無料公開した。当初予定の極限集合とそれに関連した極小不変円板やコードに加えて、パラメータ空間描画機能を追加している。プログラムの周知のための研究集会の開催はコロナ禍のため年度中は中止とし、その代わりとしてメーリングリストを通じてフラクタル幾何学や反復函数系に関連する分野の研究者に知らせたほか、2020年9月17,18日にオンラインで開催された研究集会「トポロジーとコンピュータ」における発表「2つおよび3つの相似変換による相似タイリング」の中で周知を図った。 技術的には、Apple MacコンピュータにおけるMetalフレームワークによってミップマップテクスチャ処理を行い、頂点シェーダやフラグメントシェーダを用いたGPUによる超高速並列計算によって極限集合を描画している。その結果、16384ピクセル4方のテクスチャへの極限集合の描画が数分の1秒でできて極限集合の変化を直感的に可視化することに成功した。また、パラメータ空間の描画に関してはより複雑なアルゴリズムが必要でGPUによる計算の高速化は望めないが、こちらはDispatchライブラリを用いたCPUの並列計算によって高速化を図っている。とくに、プログラム開発用に購入した最新型パソコンにおける高速描画性能は素晴らしく、プログラム開発の効率化に非常に役立っている。 また、Fractal Gazerを用いて、2つおよび3つの相似変換による相似タイリングを多数みつけた。これについては、上記研究集会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フラクタル幾何学の有用なツールとするためにパラメータ空間の描画機能を先に実装することとしたため、プログラムの公開が遅れたが、プログラム開発そのものは当初予定通りに問題なく進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
改良や追加機能の要望を聞いて,可能なものから順に対応してFractal Gazerをアップデートしてゆきたいと考えている.
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Causes of Carryover |
プログラムの周知のための研究集会の開催はコロナ禍のため年度中は中止とし、次年度以降に別の方法で行うこととした。
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