2018 Fiscal Year Research-status Report
Deepening and Evolution of Theory of Submanifolds and Harmonic Maps in Symmetric Spaces
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18K03307
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
大仁田 義裕 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (90183764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 信 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (10243354)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 微分幾何学 / 部分多様体 / 調和写像 / ラグランジュ部分多様体 / 対称空間 / リー群 / 可積分系 / フレアーホモロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の初年度である今年度は,東北大学・宮岡礼子教授,茨城大学・入江博准教授,中国 清華大学・Hui Ma教授を訪問して,標準球面の等径超曲面およびそのガウス像として複素2次超曲面内に埋め込まれたコンパクト極小(故に単調)ラグランジュ部分多様体に関する研究課題について議論・情報交換し共同研究を行った。この一連の共同研究の内容を6月のイタリア・フィレンツェでの国際会議でサーベイ講演するために海外出張したが移動中に健康上の異変を生じ,共同研究者・宮岡教授が急遽代わって講演し事なきを得た。宮岡教授とは一連の研究内容のサーベイ論文を書き上げ当該国際会議プロシーディングスヘ投稿した。北京・清華大学を訪問してHui Ma教授とは,クリフォード系から構成されるOT-FKM型等径超曲面(相異なる主曲率g=4)の構造に関して今後に繋がる有益な議論ができた。9月の東京理科大学での研究会では,コンパクト対称空間上のHermann作用の極小小池軌道に関する研究発表講演を行い,小池直之教授,田中真紀子教授らの研究グループとは積極的な共同研究を行っている。今年度の新たな研究の進展として,アインシュタイン・ケーラーC空間に標準的に埋め込まれたR空間は,コンパクトな全測地的(故に単調な)ラグランジュ部分多様体であるが,その最小マスロフ数のリー理論的公式を示すことができ,いくつかの具体的計算例を与えた。この研究結果は,単著論文として書き上げやはりフィレンツェでの国際会議プロシーディングスヘ投稿した。2019年3月に実施された第2回国際研究集会“Geometry of Submanifolds and Integrable Systems”でもこの研究結果等を講演し,本研究課題に係る有益な研究交流を持つことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
標準球面の等径超曲面のガウス像としての複素2次超曲面内に埋め込まれたコンパクト極小ラグランジュ部分多様体の研究課題に関しては,共同研究者らと議論・情報交換を続けており,共著サーベイ論文R. Miyaoka and Y. Ohnita: Lagrangian geometry of the Gauss images of isoparametric hypersurfaces in spheresも書き上げ投稿している。この研究において,Hui Ma教授と大仁田によって以前示されたそのようなラグランジュ部分多様体に対する最小マスロフ数の公式は本質的であった。今年度は,アインシュタイン・ケーラーC空間に標準的に埋め込まれたR空間という別なラグランジュ部分多様体のクラスに注目して,その最小マスロフ数のリー理論的公式を示し,いくつかの具体的計算例を与え,その研究成果は単著論文Y. Ohnita: Minimal Maslov number of R-spaces canonically embedded in Einstein-Kaehler C-spacesとして書き上げ投稿している。このような研究の状況を鑑み,おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
アインシュタイン・ケーラーC空間に標準的に埋め込まれたR空間は,単調なコンパクトラグランジュ部分多様体として極めて基本的な対象であり,最小マスロフ数の具体的計算をさらに進めて研究を続ける。また,Hui Ma教授らとOT-FKM等径超曲面(とくに非等質等径超曲面)の構造理論に関して検討し,OT-FKM等径超曲面のガウス像に関する研究を行う。また,橋本要氏(大阪市立大学数学研究所員),Jong Taek Cho教授(韓国・全南大学)との等質極小ルジャンドレ部分多様体に関する共同研究を継続して行う。連関して有限次元及び無限次元等径部分多様体や可積分系による調和写像研究も推進する。次年度(2019年度)は,フランス(マルセイユ・CIRM),中国(北京師範大学),ドイツ(アウグスブルグ大学)等での国際研究集会招待講演あるいは海外研究滞在を予定しており,研究の中間報告や海外関連研究者との議論・情報交換を通じて一層の研究課題の推進を図る。
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Causes of Carryover |
2018年6月の海外出張(イタリア)で健康上のトラブルが生じ,その後しばらく研究活動を自重したことと次年度の海外研究の予定が新たにいくつも生じたことなどが主な理由である。現在ほとんど快復して健康にも留意して,研究活動に邁進している。次年度に新たに予定している,フランス(マルセイユ・CIRM),中国(北京師範大学),ドイツ(アウグスブルグ大学)等での国際研究集会招待講演あるいは海外研究滞在の外国旅費等に充てる。
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Research Products
(11 results)