2019 Fiscal Year Research-status Report
Deepening and Evolution of Theory of Submanifolds and Harmonic Maps in Symmetric Spaces
Project/Area Number |
18K03307
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
大仁田 義裕 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (90183764)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 信 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (10243354)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 微分幾何学 / 部分多様体 / 調和写像 / 対称空間 / 等径部分多様体 / ラグランジュ部分多様体 / リー群 / 可積分系 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き本研究課題を推進した。有限次元および無限次元等径部分多様体の理論に関する研究協力者らとの議論・情報交換等を継続している。R空間は,ユークリッド空間内の等質な等径部分多様体およびその焦部分多様体を全て与える重要なコンパクト等質空間でもある。アインシュタイン-ケーラーC空間に標準的に埋め込まれたR空間の最小マスロフ数に関する論文は出版され,2019年5月フランスCIRMでの変分問題と部分多様体幾何学の国際会議で招待講演(YouTubeでも公開)を行った。また,標準球面の等径超曲面のガウス像として複素2次超曲面内に埋め込まれたコンパクト極小ラグランジュ部分多様体のFloerホモロジーに関するサーベイ共著論文もまた出版され,2019年6月北京師範大学での等径部分多様体論国際研究集会で招待講演,等径超曲面・等径部分多様体論の海外研究者らとの非常に有意義な国際研究交流をもつことができた。さらに,ケーラーC空間に標準的に埋め込まれた任意のR空間は大域的にタイトなラグランジュ部分多様体であることを証明し,この結果を含めたサーベイ論文も出版した。また,橋本要氏,Jong Taek Cho教授らとの等質極小ルジャンドレ部分多様体に関する国際共同研究も進展中である。2019年12月,調和写像と可積分系の本研究課題に直接関わる第3回国際研究集会“Geometry of Submanifolds and Integrable Systems(GSIS)”では海外招聘研究者らとDPW法や制限Willmore予想に関する有益な議論をもった。2020年3月海外招聘研究者とDeligne-Hitchinモジュライ空間と調和写像に関して議論をもつことを予定したが,大変残念なことに,COVID-19の影響で招聘のシンポジウム開催延期,来日は中止となった。来年度に招聘計画を再検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
標準球面の等径超曲面のガウス像として複素2次超曲面内に埋め込まれたコンパクト極小ラグランジュ部分多様体の研究課題に関する共著サーベイ論文 R. Miyaoka and Y. Ohnita: Lagrangian geometry of the Gauss images of isoparametric hypersurfaces in spheresおよび,アインシュタイン・ケーラーC空間に標準的に埋め込まれたR空間に対するラグランジュ部分多様体としての最小マスロフ数のリー理論的公式に関する単著論文Y. Ohnita: Minimal Maslov number of R-spaces canonically embedded in Einstein-Kaehler C-spacesは,査読等を経て,複素幾何関係の国際専門雑誌に掲載された。この結果を含めた,一般にケーラーC空間に標準的に埋め込まれたR空間の性質をラグランジュ部分多様体の観点から解説,コンパクト対称空間の幾何学を使った,ケーラーC空間に標準的に埋め込まれた任意のR空間は大域的にタイトなラグランジュ部分多様体であることの証明も収めたサーベイ論文を韓国・慶北国立大学での国際ワークショップのプロシーディングスに出版した。今後の研究課題の進展に繋がる有意な海外研究交流を行っている。また,若手研究協力者(大学院学生)は,最近ヒルベルト空間内の対称性をもつ等質な固有フレッドホルム極小部分多様体に関するいくつもの興味深い研究成果を挙げて,本研究課題の推進に寄与している。橋本要氏らとの等質極小ルジャンドレ部分多様体に関する国際共同研究は,四元数射影空間の全複素部分多様体理論との関係が明確になり,研究課題の一つである複素射影空間の(第2基本形式平行でない)コンパクト等質極小ラグランジュ部分多様体の新たな研究が進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
ヒルベルト空間の等質固有フレッドホルム部分多様体研究で進境著しい若手研究協力者とこの機を逃さず,無限次元等径部分多様体および調和写像等関連可積分系幾何学の一層の研究を進める。その推進のために,ドイツ・アウグスブルク大学の幾何学研究グループ訪問も考えている。橋本要氏(阪市大数学研究所員),Jong Taek Cho教授(韓国・全南大学)との国際共同研究は,四元数射影空間の全複素部分多様体理論やR空間理論を活用して,対応する奇数次元複素射影空間の等質極小ラグランジュ部分多様体の性質・構造の研究を速やかに進めたい。本研究課題におけるOT-FKM型等径超曲面およびそのガウス像として得られる極小ラグランジュ部分多様体の国際共同研究を推進するために,中国・清華大学Hui Ma教授を訪問・研究滞在および日本への招へいを行う計画である。しかしながら,これらを含めた本研究課題の国際的な研究交流活動は,COVID-19の世界的パンデミックの状況を鑑みながら慎重に遂行する。
|
Causes of Carryover |
2019年9月ごろから健康上の理由から自重するため,海外出張(9月ドイツ・アウグスブルグ大学,オーストリア・ウィーンBustrall60, 10月スペインBerndt60,11月台湾-日本微分幾何研究集会)を控えざるを得なくなったが,可能な限り国内での研究活動を継続して行い快復した。さらに,COVID-19の影響により2020年2月ごろから予定していた海外からの研究者招聘や国内研究集会・シンポジウム等の実施を中止せざるを得なくなった。健康上の問題はほとんど解消し研究に邁進しているが,COVID-19の世界的パンデミックの状況を慎重に見ながら,2019年度実施できなかった海外研究(ドイツ・アウグスブルグ大学,中国・清華大学,等)や海外研究者招聘・国際研究集会等の計画を次年度に遂行していきたいと考えている。
|
Research Products
(13 results)