2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K03313
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
西納 武男 立教大学, 理学部, 准教授 (50420394)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 正則曲線 |
Outline of Annual Research Achievements |
複素曲面上の正則曲線の変形について研究した。約100年前にイタリアの数学者 Severiは代数曲面に埋め込まれた滑らかな代数曲線が, semi-regularという条件を満たすと, 1次の無限小変形が任意の次数まで拡張できる事を示した。2018年度の研究ではこの結果を踏まえて, 特異点を許す被約な複素曲線から複素曲面への, 局所埋め込み射の場合にsemi-regularityの概念を拡張し, 1次変形の拡張に関する結果がこの場合にも成立する事を示した。これにより定理の適用範囲が大幅に拡大し, 複素曲面上の少数の複素曲線から, 数多くの複素曲線を構成することが可能になった。定理は全ての複素曲面に対して応用を持つが, とりわけ標準束が自明である複素曲面の場合は, 被約な複素曲線からの局所埋め込み射は全てsemi-regularityを満たすため, 非常に有効性が高い。具体的な応用として, 複素偏極K3曲面に対し, そのモジュライ空間のZariski稠密な開集合で, それに属するK3曲面は次の性質を満たすようなものが存在する事を示した。すなわち, 任意の自然数gに対し, 幾何種数がgであるような代数曲線のg次元の族で, 一般の元は既約であるようなものが無限個存在する。g=1の場合はさらに強い結果を示すことができ, 次を示した。すなわち, 任意の複素射影的K3曲面上には, 無限個の異なるelliptic pencilの構造が存在する。この研究以前には, 任意の複素射影的K3曲面上には少なくとも一つelliptic pencilの構造が存在することが知られていたが, それを大幅に拡張した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の開始当初考えていたよりも大幅に強力な結果を示すことができたため。一方, 他の題材に関しては予定していたほどの研究時間が取れなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
semi-regularityの研究は, Severi以後Kodaira-Spencer, Bloch, Buchweitz-Flennerなどに引き継がれ, 様々な観点から研究されている。とりわけ, Blochは任意の局所完全交差の場合にまでsemi-regularityの概念を拡張しており, 写像の場合も対応する結果が成立すると予想される。また, 正標数の場合への応用を考えると, 純代数的な証明を考えることも重要な課題である。今後はこれらの点について研究したい。
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Causes of Carryover |
2019年度に2度の海外出張を予定しているが, そのうちの一つが大型連休と重なり, 航空券の料金が高騰しているため, その資金に充当する。
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Research Products
(1 results)