2020 Fiscal Year Research-status Report
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18K03313
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
西納 武男 立教大学, 理学部, 准教授 (50420394)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 正則曲線 / 変形理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
複素多様体の一般に特異点を持つ部分多様体がsemiregularとは, その多様体の変形に対する障害が属するコホモロジー群について, ambient spaceの適切なコホモロジー群から全射が存在することをいう。一昨年来semiregularityおよび, その複素多様体間の写像への拡張に関する研究を続けているが, 2020年度は, 2019年度において主要な計算を行なっていた, ambient spaceが変形する場合に関する結果の証明の細部を完成させ, arXivに発表した。また, semiregularityに関する一連の研究の中で得た, 写像の変形の障害を局所的に計算する手法により, 以前から取り組んでいた, 平面上の周期的トロピカル曲線と, 2次元複素トーラス上の正則曲線の対応に関する研究で, 最後に残っていた高次の変形における障害の消滅を示す問題を解決し, 最終的に論文を完成させてarXivに発表した。その後は主に一般型の複素曲面上の特異曲線を対象として, その変形に関する研究を行った。一般型の複素曲面上の正則曲線に変形に関しては, 基本的な問題であるにもかかわらず知られていることは非常に少ない。その主な原因の一つは, 多くの場合障害の空間が大きく, その計算が困難であることである。2020年度の研究では, 曲線が特異である場合に, 特異点における詳しい計算から変形の障害を直接計算する手法を開発し, 多くの場合に適用可能な変形の存在の判定条件を得た。現在それに関して論文を制作中だが, 変形が存在する十分条件として, ある種の多項式方程式の解の存在が問題となり, そのような多項式の性質も調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに論文を発表することができたため, 計画は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の最優先の課題として, 一般型の曲面上の特異曲線の変形に関する研究を完成させる。さらに, その際に求められる条件をより良い形に改良することを考えている。
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Causes of Carryover |
2020年度の出張予定が全てキャンセルとなったために, 残額が生じた。残額は今年度の出張費に充てる予定である。
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