Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 功任 金沢大学, 数物科学系, 教授 (00313635)
鍋島 克輔 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (00572629)
梅田 陽子 城西大学, 理学部, 准教授 (90606386)
渋田 敬史 九州産業大学, 理工学部, 講師 (40648200)
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, 代数解析学の理論と計算機代数の手法を融合することで, 孤立特異点および非孤立特異点の複素解析的諸性質を解析する新たな研究手法やアルゴリズムの研究・開発を行う. さらに新たに構築した枠組みや研究手法を用いて, 特異点の複素解析を展開し特異点に付随して得られるホロノミーD-加群の研究を行う. これにより当該分野における重要な未解決問題を解くことを目的としている. 申請した国内旅費を用いて出張し研究代表者と共同研究者が直接会い, 研究討議, アルゴリズムの研究, プログラムの試作・改良, 研究のための計算機実験を行った. 孤立特異点に関しては, 以下の(1)-(7)を求めるアルゴリズムを構成した. (1)torsion微分形式, (2)パラメータを含むイデアルの次元判定, (3)対数的ベクトル場およびBruce-Roberts-Milnorイデアル, (4)局所コホモロジーに対するtransformation lawによるGrothendieck留数写像, (5)complete intersectionのミルナー数, (6)ネター作用素, (7)ホロノミーD-加群を用いたGrothendieck 留数写像. 特異点変形族の複素解析的不変量を扱うために, 従来のcomprehensiveなシステムに変形パラメータ以外に新たな不定元を導入し, 不定元のなす有理関数体を係数に持つcomprehensiveなシステムの概念を導入し, これにより新たな計算手法の枠組みを確立した. いくつかのアルゴリズムを考案, 実装した. また, comprehensive PBW 代数のグレブナ基底と局所コホモロジーを用いることで, 非孤立特異点を持つ変形族に付随して得られるホロノミーD-加群の変形族を解析する方法を与えた. これを用いて, D. Masseyらの非孤立特異点の解析をした.
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