2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K03322
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 久義 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (50272597)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 一般化バルマ加群 / リー代数 / 旗多様体 / ユニタリ表現 / 微分不変式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はスカラー型とは限らない一般化バルマ加群の間の準同型のなす空間の次元を上から評価することを試みた。これについてはいまのところ特殊な具体例で準同型が分類されている場合以外は目立った結果は知られていないと思う。 得られた結果の一例を示すとg を複素簡約リー代数、pをその放物型部分代数とし V_1, V_2 をpの有限次元既約表現とする。M_1, M_2 をそれぞれ V_1, V_2 からgへの誘導表現(つまり一般化バルマ加群)としたときM_1からM_2への準同型の空間の次元がV_1の次元とV_2の次元の積で上から抑えられるというものである。この評価は V_1, V_2を定める一般化バルマ加群のパラメーターに依存しているが、移送原理など既存の一般論を組み合わせると特定の有限個のパラメータをさんしょうすればよく、任意の一般化バルマ加群の間の準同型のなす空間の次元の(g, p)のみに依存する上からの評価が得られる。 このような結果は一応新しい結果だと思うが、実際には古典型の場合gのランクに依存しない評価がありそうだとの感触を得ている(例えばA型だと1で押さえらえると予想される)ので残念ながら最終的にはあまり強い結果にはならないように思われる。ただしそのようなことも知られている限られた実例からの推測なのでなんとも言えないが。現在適用しているアイデアだけでは本質てきに評価を改善するのは難しそうなので新しいアイデアが必要かもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予定外の重い学外公務が入ったことと身内の病気がかさなり研究に十分な時間が割けなかったため進捗が遅れている。2022年度は公務から外れるため遅れをとりもどしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
当面はいままで得られた結果の出版活動に注力するつもりである。
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Causes of Carryover |
コロナ流行による。
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