2022 Fiscal Year Research-status Report
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18K03333
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平田 賢太郎 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (30399795)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ポテンシャル解析 / 準線形楕円型方程式 / 特異点の除去可能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
特異点の除去可能性問題は,正則関数や調和関数の孤立特異点の研究から始まり,より一般の線形方程式の解,そして近年には非線形方程式の解に対しても盛んに研究されるようになった.2018年のHirata-Onoの論文では,解の冪乗型の非線形湧出項を伴う準線形楕円型方程式の正値連続解に対する特異点集合の除去可能性と解の増大度の関係について成果を得た. 本年度は,そこで構築した方法を発展させ,解の冪乗型と解の勾配の冪乗型及びそれらの積を含むような非線形湧出項を伴う準線形楕円型方程式の正値連続解に対する特異点集合の除去可能性と解の増大度の関係について成果を得ることができた.先行研究とは違って勾配を含む項を上手く処理する必要があるが,弱解の定義から導出できる勾配の積分評価とWhitney立方体分割を用いて望むべき評価を得ることで解決可能となった. さらに,有界係数の場合に,解の冪乗型と解の勾配の冪乗型を含む準線形楕円型方程式のDirichlet問題の正値解に対して一様評価が成り立つための必要十分条件について部分的結果を得ることができ,韓国浦項で開催された国際研究集会「The POSTECH Conference 2022 on Complex Analytic Geometry」で招待講演を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,ポテンシャル論の観点から様々な非線形問題を解明することを目的としており,半線形あるいは準線形楕円型方程式の解の境界挙動や特異点集合の除去可能性などについて,毎年着実に研究成果を挙げることができているため.
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Strategy for Future Research Activity |
境界挙動や特異点除去可能性に関する問題は方程式の形状に依存するため,より複雑な非線形項についても考察することは興味深いと思われる.これまでの技法ではカバーできない点を整理し,新たな道具を取り入れながら明らかにしていきたい.
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Causes of Carryover |
コロナ感染症対策によるオンライン開催の研究集会の増加,及び大学業務により,出張の機会が減少したため,当初計上していた情報収集及び成果発表などの出張費が未使用となった.次年度は対面で開催される研究集会が増えるものと期待し,これまでの成果発表及び情報収集のための出張費としたい.
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Research Products
(2 results)