2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K03339
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
伊藤 雅彦 琉球大学, 理学部, 教授 (30348461)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 楕円超幾何関数 / ワイル群 / ルート系 / BC型 / G2型 / 補間関数 / セルバーグ積分 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者・伊藤は連携研究者・野海正俊(神戸大学)と楕円超幾何関数に付随する「補間関数」について研究した。その応用として、BC型楕円超幾何関数についてのロンスキー型行列式が楕円ガンマ関数の積で具体的に表示できることを示した。その公式についての論文が雑誌 Journal of Mathematical Physics から出版された。 また、伊藤は昨年度得たG2型楕円超幾何積分についての成果を2回の国際ワークショップ「Elliptic integrable systems, special functions and quantum field theory (NORDITA, Stockholm)」と「15th International Symposium on Orthogonal Polynomials, Special Functions and Applications, 2019 (Hagenberg, Austria)」にて発表した。また、オーストラリア・メルボルン大・数理統計学科の Random Matrix Theory Seminar でも解説を行った。伊藤と野海は昨年度得た5パラメータのG2型楕円超幾何積分の無限積表示を拡張するために、6パラメータのG2型楕円超幾何積分の性質を調べた。その結果、6パラメータのG2型楕円超幾何積分が満たすq差分方程式を具体的に表示することができた。このG2型楕円超幾何積分の1つのパラメータを特殊化することで、昨年度得た5パラメータの結果に於いても別証明が得られる。以上の成果を、神戸大学で行われた研究集会「q,q&q」で発表した。この成果は2020年度日本数学会年会(於:日本大学)「無限可積分系セッション」のアブストラクト集に於いても「6パラメータのG2型楕円超幾何積分が満たすq差分方程式系について」として記録されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BCn型の「補間関数」を適用して楕円超幾何積分への応用が具体的に得られていること。目標としている例外型ルート系に付随する楕円超幾何積分についての結果で、G2型に関するq差分方程式が具体的に得られたこと。特にその過程に於いてG2型の「補間関数」の補間点(参照点)と成り得るべき点の集合の候補を見つけることができたこと。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き「補間関数」の楕円超幾何積分への応用に関する考察を続ける。特に例外型ルート系に付随する楕円超幾何積分について、G2型の「補間関数」を定義する。またF4型の楕円超幾何積分についても着手する。
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Causes of Carryover |
前年度おおむね順調に進展して得た研究成果を該当年度2つの国際学会で発表することとしたため、当初計画していた旅費を大幅に上回ってしまったことから、旅費を前倒し支払請求することとしたが、結果的に次年度使用額が生じた。次年度に依頼出張等の旅費として使用する計画がある。
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Research Products
(6 results)